أول 200 سطر.
(橋本太一) <美しい丘と書いて 美丘>
<それが 君の名前だった>
<僕は 今 君と初めて出会った あの場所に立っている>
<あの日 君に出会わなかったら→
僕は今も 誰かを心の底から 愛するということも知らずに→
生きていただろう>
<君は嵐のように現れて→
僕の心をさらって→
あっという間に いなくなってしまった>
<稲妻に似た 強い光だけを残して>
(洋次) 2限 経済原論か…。
はぁ… どうする?
(邦彦) あ~ 俺 パス 太一は?
あぁ…。
はい 太一も サボり決定ね。
ったく… そん中に そんな面白いことがあんのかね?
あんのかね?
ひと昔前の大学生ってさ ブラブラしてるだけで→
何となく いい会社 入れたりしてたんだよなぁ。
まぁ 俺らなんか 3年の今から 必死こいて就活したって→
どうなるか分かんねえしな。
そうそう… って 洋次は いいだろう!
いざとなったら 福島 帰って 酒蔵 継げばいいんだからさぁ。
う~ん いや…。
まぁな! いいだろ いいだろ~!
いいね~ いいね~! いいね~!
(洋次) おい 太一 お前は どっか当てあんの?
あ~…。
はいはい 読書家の太一君!
(邦彦) ドエスノ… ドエスド… ドエスト…。 はいはい おバカな邦彦君!
ドストエフスキー ほい。 あぁ~。
お前 よく読めんな。
うぇ~ 細けぇ字!
も~う。
あ~あ パッとしねえな 俺ら。
空から いい女でも 降って来ないかなぁ。
ねぇ 降って来ないかなぁ? そんなわけ…。
おっ… おい あれ! ん?
あっ。 あっ。
まさか…。 飛び降り?
あぁっ… どっ どうする!? どっ どうする!?
誰か先生 呼んで来る! じゃあ 俺 警備室!
ハァ… ハァ… ハァ…。
ハァ… ハァ…。
ハァ…。
あっ…。
何やってんの? そんなとこで。
あの どうして そこにいるか 知らないけど→
とりあえず こっち側に 戻って来ない? 危ないからさ。
ね?
分かってるよね? ここ 10階だよ?
もし ここから落ちたら…→
もし ここから落ちたら きっと きっと…。
やっ やめろ!
ダメだ。
死んじゃダメだよ!
ダメだって!
ダメだ 死んじゃダメだ!
(峰岸美丘) フフ… バッカみたい。
私が 自殺なんかするように 見える?
見えない。
死ぬ気もないんだったら どうして手すりなんか越えたの?
不思議だと思わない? 高さは同じなのに→
こっちと あっちじゃ 見える景色は 全然違うの。
すごいでしょ。
手すりひとつ越えちゃうだけで 世界が変わっちゃうんだよ。
世界が 変わる…。
(警備員) そこの2人 戻りなさ~い!
名前 何ていうの?
橋本太一 経済学部3年。
私は 美丘… 峰岸美丘。
(峰岸佳織) あの子の病気は→
本当に治らないんでしょうか?
毎日 元気に学校に行って→
普通の大学生と 変わらないように見えます。
私には まだ どうしても信じられないんです。
あの子の命が もう…。
(高梨) 見た目には 何ともないようですが→
進行が止まったわけでは ありません。
頭痛や 目まいなどの症状は 日々 起きているはずです。
お嬢さんの病気は ゆっくりと→
しかし確実に進行しています。
あんなことの後で よく平気で食べられるな。
それより お前 よく あんな手すり越えられたな。
太一 お前さ 確か 高所恐怖症だったろ。
もう 二度とごめんだよ。
で 誰? あのコ。
峰岸美丘だって。
美丘ちゃんか… 結構 いい女じゃねえ?
俺 行っちゃおうかなぁ!
はい 行かないよ~。
(洋次) ったく お前は 女と見れば すぐ…。
(麻理) 太一君 あのコと知り合いなの?
いや 知り合いっていうか…。
いや さっきさ 屋上で 太一が 彼女のこと助けたんだよ。
(直美) 助けた? うん。
いや 大したことじゃ ないよ。
あんまり かかわらないほうが いいかもよ?
あのコ 結構 有名人みたいだから。
有名人?
(夏子) あんたでしょ 峰岸美丘って…→
黙ってないで 何とか いいなさいよ。
うわ~ 女子の もめ事ってやつ?
(えりか) あんた いっとくけどね ひとの男に手ぇ出すなんて最低!
(由美の泣き声)
あの泣いてるコ 法学部の3年生と 付き合ってたのに→
峰岸さんに取られたんだって。
彼女いる人でも 平気で手を出すって噂だよ。
へぇ~ やるな 美丘ちゃん。
俺のことも奪ってくんないかな!
おいおい やめろって! お前 笑えねえから 無理無理。
ねぇ ちょっと聞いてんの?
何とか いいなさいよ!
何で? 彼女いたら 付き合っちゃいけないの?
当たり前でしょ! あんた 頭 大丈夫?
私は 声かけられて 暇だったから ちょっと相手してやっただけ。
それに あいつ 「彼女なんていない」っつってたよ。
ひどい 本人のいる前で…。
私 ずっと片思いしてて→
やっと付き合えたのに…。
あんな男に 涙流すほどの価値があるとは→
思えないんだけどね。
それでもいいんだったら より戻せば?
私は こっちからお断り。
あんた 何様のつもりよ!
あんた ちょっと何すんのよ! ケンカ売ってんの!?
こんなことして ただで済むと思ってんの?
≪ふざけないでよ!≫
ヤバっ…。 太一 お前 何やってんだよ!
ごめん… あっ すいません。
みんな見てる…。 もういいよ 行こう。
手が滑っちゃって。
ごめんなさい 手が滑っちゃって。
(邦彦) あ~あ…。 ごめん。
マジあり得ない ああいうの。 いや 意外に女同士の戦いって→
美しいんじゃねえ? 美しくねえよ!
余計なお世話。
ちょっと。
さっきの話 ホント?
その… ひとの彼氏を取ったとか。
向こうが取ったっていうんなら そうなんじゃない?
あなたは それで いいかもしれないけど→
彼女の気持は考えないの?
麻理…。 かわいそう!
ずっと片思いしてたって いってたよね?
片思いなんて 時間の無駄なのに。
何で そんな言い方するんだよ。
私は 時間がいくらでもあるなんて 勘違いしてないから。
(麻理) そんな立派な考えを 持ってるなら→
二度も助けられた太一君に ちゃんと感謝したら?
フッ 誰も「助けて」なんて 頼んでないし。
ちょいちょい… そりゃ ないだろ~。
あのさ~。
素直にお礼ぐらい いえない?
ふ~ん。
じゃあ お礼しようかな。
えっ?
じゃあね 太一君。
<その時 僕は まだ知らなかった>
<美丘 君は 流れ星が燃え尽きるように→
命を削って 輝いていたんだね>
<死と隣り合わせの 不安と恐怖と闘いながら→
君は 限られた日々を 全速力で駆け抜けていた>
<美丘 そんな君と僕は出会い→
一生分の恋をしたんだ>
ハァ ハァ…。
ダメだ!
うわっ…。
あっ あぁ~!
うわっ!
ハァ ハァ…。
おはよう。
(橋本一郎) おい。
(橋本容子) や~ねぇ そんな格好でウロウロ。
あんたさぁ そろそろ 就職活動も始まるんじゃないの?
大丈夫なの? そんなんで。
太一 お前 何か やりたいこと決まったか?
まだ。 まだ?
あんたは いっつも はっきりしないで ウジウジと…。
しっかりしなさいよ! 分かってるって。
そうだぞ お前 太一 なぁ… お前 昔からさ→
ここぞっていう時の 決断力がないから→
もっと おとうさんみたいにな ビシっとな…。
ビシっと?
≪消しゴムくださ~い≫ は~い!
(容子) ほら 結衣 早くしなさい 遅刻するわよ。
太一 今日 遅いの?
え~ 今日は…。
あっ 麻理の誕生日。
(橋本結衣) えっ お兄ちゃん 彼女できたの?
あっ 違うよ。
おとうさん 早く食べて。
私 今日 美容院 行くんだ 美容院。 そうか それは大変だ。
おはよう 美丘。 おはよう。
(峰岸 始) おはよう。 おはよう。
(峰岸) よし 食べようか。 うん。
ごめん… 私 ジュースだけでいいや。
えっ? そっか。
よっ。 ありがとう。
どうだ? 調子は。
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