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インド ムンバイ 人口:2400万人+1人
インド国立スポーツクラブの ドームにて いよいよ始まります
彼のネタは名作ばかり
“Somebody going to get a hurt real bad”
“Be a man”
“Take it and go”
世界の偉大なコメディアン50人 にも選ばれた
ラッセル・ピーターズ 国外追放ワールドツアー
ショービジネス界 一 いち の 褐色の肌を持つ男
ラッセル・ピーターズ
やあ ムンバイのみんな
元気か?
妙に聞こえるだろうけど やっぱり祖国は最高だ
生まれも育ちも インドじゃないけどね
北米と違って 白人に合わせる必要はない
同じ褐色人種ばかりだ
デオドラントを使わなくても 誰にも文句を言われない
DJに盛大な拍手を
祖国に戻ってきたよ
君 元気か?
頭の振り方からして “イエス”だ
相当 元気らしい
1回 振っただけ
名前は?
何?
“プレアグ”?
“ 醜い アグリー ”のプレ期間?
今はプレ期間だが 10年後は完全に醜くなってる
君 調子は?
今日の君の格好は まるで精子みたいだな
どうやって来た?
交通渋滞を抜けるのは大得意
最悪の服装だ
“プレアグ”の10年後だ
僕の近況報告をしよう
前回 インドに来た時と比べて 僕は太った
笑うな
もともと 太ってたわけじゃない
“少しは運動してみたら?” とか言われるデブとは違う
インド人は なぜか太る
何より厄介なのは 生まれた時は痩せてることだ
その後も痩せたままで
好きなだけ食べても 太ることはない
だからジムにも通わない
そもそも親世代が ジムに否定的だ
“ジムに行くより 家で勉強しろ”
つまり痩せてても 引き締まってるのとは違う
そして食べまくった結果 30代で悲劇が訪れる
インド人の遺伝子が暴れ出し 劇的に太る
それが今の僕 もう40代だけどね
僕の場合 ある朝 突然だった
驚きはしたが―
単なるむくみで 排尿と発汗で収まると思ってた
ところが1年半経っても同じ
心配になって病院へ
“先生 太ったんです”
“そのようだ”
“先生の承認は不要です 太った理由を知りたい”
“なぜ太ったと?”
“家に鏡があるから”
この前も裸で鏡の前を通って 驚いた
“誰のケツだ?”と思ったら おなかだった
ネットでは クソ連中が僕をデブ呼ばわり
連中は言いたい放題なのに 反論すると炎上する
だが何よりもムカつくのは
僕が言いそうな言葉を使って 連中が僕を非難すること
僕の出演番組を見て
“共演者を 全員 食ったのか?”
いかにも僕が言いそうだろ
誰かは僕の写真を投稿して
“ラッセルは チョコ棒よりもメタボ~”
僕は韻を踏むのが好きだから 余計 ムカついた
うまい表現ではあるが
僕の体より ペニスにピッタリの表現だ
“僕のペニスは チョコ棒よりもメタボ~”
“同じチョコ色で筋張ってる”
“ナッツ入り”
“大満足 間違いなし”
ともかく医者に 太り方が変だと言った
“僕は暴食もしてないし 柔術もやってます”
“なるほど”
“君は48歳で インド人だね?”
“そうですが…”
“心臓発作の経験は?”
“まだかい?”
“まだ経験してません”
その日は採血のみで 3日後に再び病院へ
医者に 問題が判明したと言われた
“甲状腺が不活発なようだ”
“つまり?”
“活発じゃない”
“不活発の意味なら 知ってます”
“なら なぜ聞く?”
“肥満の原因は甲状腺だ”
“甲状腺のせいですか”
“君自身にも原因はあるがな”
“どうすれば?” “君の甲状腺を活性化させる”
今は1年半前より 10キロ痩せたよ
薬物治療のおかげさ
ところが体は痩せても 頭部は太ったまま
まるで親指が のっかってるみたいに見える
太った頭部は 簡単には痩せない
ボクサーは 体重を落としたい場合
ゴミ袋を着て サウナで思いきり汗をかく
だが同じ方法を 頭部に試すのはよせ
僕は試したから分かる
“これなら痩せられる”と ゴミ袋を頭にかぶった
バカじゃないから ちゃんと袋に穴は開けたよ
そしてサウナへ
だがデカい鼻は 吸引力が強いのを忘れてた
呼吸のたびに 袋も吸い上げるハメに
友人は 僕が自殺する気だと勘違い
僕らインド人の太り方は最悪だ
どこもかしこも太る
白人のアメリカ人は 腹だけ太る
後ろ姿は普通なのに
振り返るとビックリ
だがインド人は違う
僕の場合は胸がデカくなった
前に出てきたんじゃなく 横に広がった
横にはみ出して ひじ掛けみたいになったんだ
両腕に浮き輪がついてる感じさ
それと背中も太った あれは妙だったね
座ると背中の肉が広がる
つまむと気持ちいいが いい気はしない
脂肪の塊もできた
ここにね
とびきりデカい塊だ
女性の場合 “プニギナ”と呼ばれる
ヴァギナの上にある プニプニした塊だからだ
僕は男だから たぶん“プニス”かな
塊をどけないと ペニスが見えない
“まだ いるか?”と 確認してた
“いずれ太陽を見られる”
医者に言われた “他に悪いところは?”
“君は48歳のインド人だろ”
“人種差別発言ですよ”
“ですが実は…”
“胃酸が逆流するんです”
呑酸 どんさん と言われるが 同じ症状の人は?
大ウソつきめ
インド人なら 呑酸にならないわけがない
僕らはスパイスや油やバターを 大量に摂取してる
よく父に言われたよ
“ショクドーの炎症だ”
“何て?” “ショクドーだよ”
移民の父の英語は なまってる
アクセントが間違ってても 直す気もない
みんな 呑酸の症状は あるんだろ?
ぽっちゃりした男は絶対だ
君のことだ
本当はあるくせに ないフリをしてる
彼のシャツはターメリック色
僕の人生は呑酸と共にある 本当だぜ
しかも呑酸になるかは 食事による影響が大きい
インド人の僕は インド料理を食べて育ち
呑酸になった
そうなるとインド料理はNGだ 最低だろ
“インド料理は食べられない”と 母に言ったら
“インドでは食べられないまま 死んでく人もいるのよ”
“でも母さん 僕だって 食べ続けたら死んじゃうかも”
6歳の時のことだ
ゲップをしたら 胸が熱くなって鼻から炎が出た
悲しくもないのに 目からは涙も出てきた
“母さん ゲップするとムカムカする”
“何て?” “胸がムカムカする”
“どうしましょう それは大変だわ”
“そうだわ ゲップをしてはダメ”
すごいアドバイスだろ
“ムリだよ” “なら牛乳を飲みなさい”
でも治らず 父に相談した
“父さん 胸がムカムカする”
“食卓にある ヨーグルトを食え”
“なぜヨーグルト?” “事実だからだ”
“事実って?”
“体が冷えて ムカムカしなくなる”
“本当に?” “それが事実だ”
“息子よ ヨーグルトは プロバイオティクスだ”
“病院でもらう薬は アンチバイオティクス”
“父さん 僕は6歳だよ 分かるように説明して”
“どちらも バイオティクスがついてる”
“そうだけど…” “いいから食え!”
“なぜ?”
“ヨーグルトが常にあるのは 消化を助けるからだ”
ようやく僕は納得して ヨーグルトを食べた
だがヨーグルトは 唐辛子と玉ネギ入りだった
スパイスのせいで 胸焼けしたってのに
“父さん なぜヨーグルトに スパイスを?”
“プレーンで食えとでも? 我々は白人じゃない”
“人種差別発言だよ” “違う 事実だ”
“どこが?”
“プレーンヨーグルトの 色は?”
“しかも何の味もしない”
“白人の料理は 世界に何の影響も与えてない”
“それが事実だ”
そして医者は僕に―
内視鏡検査を 受けるようにと言ってきた
“検査をしたことは?”
“ありません ケツの穴に 何も突っ込まれたくない”
“一体 何の話だ?”
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