Prvních 200 řádků.
(田端(たばた) 楓(かえで)) あらゆる自分の行動には
相手を不快に させてしまう可能性がある
不用意に 人に近づきすぎないこと
そして 人の意見を否定しないこと
そうすれば 人を傷つけることもないし
傷つけてしまった誰かから―
自分が傷つけられずに済む
結果的に自分を守ることになる
それが 僕の生きる上でのテーマだ
(講師A)武力によって 平和を獲得したのは…
(楓)だから
初めて秋好(あきよし)寿乃(ひさの)を見た時は―
心底 バカにした
(女子学生)すみません 質問してもいいですか?
(講師A) 質問は後で受け付けますよ
今でもいいですけど
(秋好寿乃)この世界に 暴力はいらないと思います
(講師A)え?
(秋好)暴力が何かを解決すること なんてあるんでしょうか?
(講師A)人間が存在する以上 争い事は必ず起きる
平和の裏側には暴力が隠れている
(秋好)そんなの おかしいと思います
平和の裏に平和があったって いいと思うんです
平和を望まない人なんていません
たとえ戦争の最中でも
みんなが同じ方向を見ることは できると思うんです
(学生たちの ざわめき)
(楓)いわゆる理想論ってやつだ
世の中には これほど 自信過剰で愚かな
そして鈍い人間がいるのかと 僕は驚いた
だから みんなが本当に望めば
戦争は終わると思います
(講師A) そんなに簡単だったら―
この授業も必要ないでしょ ハハ
(秋好)でも… (終業のチャイム音)
(講師A)残念だけど時間切れです 今日はここまで
(楓)僕が彼女を見たのは バカな発言をした奴が
否定された時の不機嫌な顔を見て 面白がりたかったからだ
でも意外だった
彼女は 傷ついたような顔をしていた
僕はきっと―
その時の彼女の顔に興味を持った
とはいえ その興味というものは
本当に ただ街中で―
少し変わった音楽が 聞こえてきた程度のもので
(秋好)ねえ 1人?
自分と関係のない声なんて
自分と関係のない声なんて
風景に混ざる雑音だ
(秋好)1人?
ん?
さっきの授業 いたよね?
私も1人なんだけど 一緒してもいい?
ん… んん 僕ですか?
(秋好)そう いい?
はい どうぞ
タメ口(ぐち)でいいよ 1年だよね?
あれ もしかして 先輩だったりします?
(楓)フフ 1年だけど
よかったー 焦ったー もう
大学生活早々 やっちゃったかと思った
フフフ あ 私 秋好寿乃って言います
名前 聞いていい?
(楓)あ 田端です
たばた 何?
(楓)楓
モミジやカエデのカエデ?
(楓)うん
おー
楓と秋好 “秋”つながり
フフフフ
田端くんは なんか 面白そうな授業あった?
いや 特に…
(秋好)サークルは? 決めた?
ううん 入るつもりない
(秋好)そっか
私は何に入るか めちゃくちゃ迷ってて
模擬国連とか興味あるけど…
いろんな国の代表になりきって 国連みたいに討論するの
地球温暖化とか 環境問題とか
もし興味あったら 一緒に見学行ってみる?
え? いや
ごめん
(秋好)あ…
(楓)あの 嫌だったとか じゃないんだけど
(楓)あの 嫌だったとか じゃないんだけど
ごめんね 怪しい集会に 勧誘してるみたいだよね
(楓)フフ
あ もう行くね 次の教室 遠いから
うん またね
うん また
(楓)“また”なんてない
彼女のような 誰とでも話せるタイプの人間は
すぐに もっといい話し相手を 見つけて
その場しのぎの間に合わせに 使った人間のことなんて
すぐに忘れてしまうから
おはよっ
(楓)そう思っていた
おはよっ! 田端くん この授業も取ってたんだ
え?
(秋好)質問いいですか
(講師B)もちろん
せっかく高い学費 払ってんだから
全員が一斉に武器を下ろせば 戦争は終わると思うんです
(学生たちの ざわめき)
(講師B)それは…
理想論でしょう 現実的じゃないよね
理想なら そこを一番に 目指すべきではないんでしょうか
せーので武器を 捨てるという―
(楓)ただの痛い奴じゃない
(楓)ただの痛い奴じゃない
(楓)ただの痛い奴じゃない
平和的解決は ないのでしょうか?
ヤバい奴だ 関わっちゃいけない奴だ
ヤバい奴だ 関わっちゃいけない奴だ
(講師B)お互い 抑止力がある
どうすれば 彼女を 避けることができるのか
どうすれば 彼女を 避けることができるのか
(講師B)教科書を よく読んでください
(秋好)教科書は もう読みました
その上で質問しています
その上で質問しています
とりあえず僕は…
逃げることにした
(秋好)田端くん!
食堂行くの? 何食べる?
フフッ
(秋好)楓?
何 ボーッとして 食べないの?
ん? いや…
いや 食べるよ
(楓)気づけば ひと月が過ぎていた
寄ってくる人間を 力ずくで突き放す―
寄ってくる人間を 力ずくで突き放す―
ごちそうさまでした
そんなことが僕にはできず
結果―
僕まで ひそひそと周りから ささやかれる存在になってしまった
私 ちょっと焦ってんだよね サークル決まんなくて
うん
あぁ… “もぎこくれん”だっけ あれイマイチだったの?
んー なんか雰囲気 違くて
もう10個以上も 見学行ったんだよ?
10個…
うん どこも 空気合わないんだよねー
もしかして私 拒否られてる?
フフフフ フッ
どんなのが やりたいの?
世界を今よりよくしたい
どうしてもやりたいなら 自分で作ってみたら?
ん?
何?
フフフ
(秋好)ねえ いいじゃん 一緒にやろうよ
活動内容も2人で 嫌じゃない感じに作ろうよ
活動目的もさ もっとこう 広い解釈があるようにして
あ でも 適当なのは 腐った大人みたいだから
意志だけは貫き通すようにして
嫌なことは もちろんしなくていいから
(楓)目立つのが嫌なんだよ
(秋好)んー だったら 秘密結社みたいな感じでもいいし
(楓)秘密結社って 何それ?
(秋好)いや だから その お互いに野望とか出し合ってさ
(楓)何 野望って?
(秋好)なりたい自分になる
(楓)どうやったら そんな大それたこと
考えながら生きられるの?
(秋好)そんなの 誰だって考えるでしょ
(楓)僕は考えないよ
(秋好)絶対あるって なりたい自分になるって
モットーとか テーマみたいなもんだから
(楓)テーマ?
(秋好)そう 生きる上でのテーマ
嘘つかないとか 威張らないとか そういうの 楓にもあるでしょ?
食事を残さないとか ポイ捨てしないとか
(楓)それを言ってしまって いいものかどうか…
背中を押したのは
どうせ引かれたところで 平穏な一人の生活が
戻ってくるだけだと思ったからだ
人に近づきすぎないことと
人の意見を否定しないこと
まあそうすれば 誰かを傷つけることもないし
傷つけた誰かから 自分が傷つけられることもない
(楓)僕のつまらない話を聞いた 秋好の顔
引いて当然だ
超 優しいじゃん
え?
(秋好)それって 誰も 傷つけたくないってことでしょ?
そんなふうに考えられるの すごいと思う
名前どうしようかな 秘密結社の名前…
あー!
モアイ?
“秘密結社モアイ” 悪くないよね?
(秋好)モアイです! お願いします!
モアイです! お願いします お願いします!
モアイです! お願いします お願いします
あっ
モアイです! お願いします!
モアイです! お願いします!
ありがとうございます!
No comments yet. Be the first to leave one.