نخستین 200 خط.
(電話のベル)
(電話のベル)
(雨宮(あまみや))もしもし カリヤ建築です
えっ? あっ… 小六(ころく)君 電話
(小六)はい
(蘭子(らんこ))うち 蘭子 今 着いたの
重大な話があるよって すぐ 来てちょうだい
えっ? 勤務中?
相変わらず 冷たいのね
ほんなら あとで 下宿を襲撃したる
もう あの下宿には いませんよ
(雨宮)電話主は 例の大阪のお嬢さんか?
(小六)おい どっかに貸間ないかな?
えっ? 変わったんじゃないのか?
(小六)変わりたいんだよ
おい 君んとこへ 転がり込めないか?
(社員)とんでもない 6畳で8人 寝てんだよ
あったら こっちで頼みたいよ
(社員)20世紀の奇跡を見たまえ
(雨宮)フッ 忙しいやつだ
今頃から騒いだって とっくの昔に決まっちゃってるよ
大阪一の小牧(こまき)商事の娘に 追い回されるなんて―
あやかりたいよ
(雨宮)フフッ ほんとだ ハハハッ
(ピアノの演奏)
(津川(つがわ)) いつ お着きになったのです?
(蘭子)かわいい子やないの 先月の子は どうしたん?
津川さん 今月の決済 見せとう
(津川)おい 大村(おおむら)
(大村)はっ
あっ いらっしゃいませ
お嬢さん 大阪のお父さん お変わりございませんか?
(蘭子)おおきに (大村)ああ
月に一度の ご上京も―
当節は乗り物が混みまして 大変でございましょう
(津川)お嬢さんのお仕事は 他にもあるんだが―
しかたがないですねえ
大村 お部屋は?
(大村)はい あの 上に いつもの はい
(津川) ホテルとキャバレーで 365万
土地家屋売買が90万
金融利息 30万 マーケット 110万
総計 595万となります
大したものね それに あんたの余得を入れたら 700万
小牧商事の純益の70%は 東京で たたき出してるんですからね
あんたは金もうけの天才や
あんたの魅力は それだけや
恐れ入ります
自信たっぷりやなあ
は?
(蘭子)何や? (大村)はい ヘヘッ
長生きしいや
小六君は元気ですか?
(蘭子)知らん
お会いになったんでしょ?
何や? その顔
あんたは 小六と言うと 目の色が変わるな
(津川)僕の趣味です (蘭子)悪趣味ね
(津川)あなたより マシでしょう (蘭子)ほっといて
(津川)嫌だと言う男を 追い回すよりはね
(蘭子)本当に嫌で 逃げてるかどうか分からへん
(津川)自信たっぷりですねえ (蘭子)当たり前や
うちほどの女 そう ざらにあらへん
あんたかて ほれてたやないか
まあ 1年 待っててごらん
365日あるんや
小六は うちのもんや
(小六)誰だ?
(ドアの閉まる音)
(しづ)大江(おおえ)でございます さあ どうぞ
(小六)はあ
あの 道に迷ったものですから こんなに遅くなってしまいまして
もう お決まりに なったんでしょうか?
(しづ)お部屋のことですか?
朝早くから 大勢さん お見えになって あなたで65人
65人?
帯に短し たすきに長し
いっそ お貸しするのやめようかと 思ってたとこですの
僕もダメでしょうか?
つかぬことを伺うようですが―
川北(かわきた)様とおっしゃいますと―
あの 大阪の川北組と 何か お関係でも?
川北組 ご存じですか?
いいえ この家を建てたのが 川北組だそうで
(小六)はあ
亡くなりました主人が 大変 自慢いたしておりました
(小六)僕の父が 川北組をやってるんです
(しづ) まあ… 不思議なご縁ですわね
(小六)はあ
(しづ)それで あなた お一人が東京に?
(小六)はあ あの 他人の飯で勉強中です
(しづ)あっ ちょっと失礼
(小六)あっ…
(ドアの開閉音)
(しづ)娘です
ねえ 照子(てるこ)さん
こちらに来ていただこうと 思うのですが どうでしょう?
本当ですか? ありがとうございます
これで 野宿をしないで済みます
えっ 今晩?
(小六) あの いけませんでしょうか?
いいえ あの でも お荷物は?
はあ これで十分です
どうも
家族的待遇で 月3000円とは悪いな
まあ よろしく頼みます
(咲(さき))門限は8時半ですよ
この部屋は 以前にも 誰か貸してたんですか?
(咲)引き揚げの方がいたんです
ああ すると 今は あんたと 奥さんとお嬢さんの3人きりですね
(咲)照子様は お嬢さんじゃありません
(咲)奥様です
旦那様は まだ復員なさらないんです
(ドアの閉まる音)
何だ 奥さんか
(ブザー)
(悲鳴) (衝撃音)
(物音)
(ドアの閉まる音)
(強盗)あっ
(小六)ああっ!
(強盗)あっ…
(小六のうめき声)
(衝撃音)
(照子)あら
ただいま
(照子)お早かったんですね (小六)はあ
いかがですの? お手の具合
ええ だいぶ 経過はいいそうです
それは ようございましたわ
本当に とんだ災難に お遭わせてしまって
(小六)いいえ
あんなこっちゃ 用心棒は務まりませんね
今度から 十分に気を付けます
あら あんなことが幾度もあったら 大変ですわ
ハッ
お花が きれいですねえ
(照子)小庭に咲いてましたの
ご主人の消息 分からないんですか?
誰から お聞きになりましたの?
咲さんからです
僕は初めて お目にかかった時―
あなたが奥さんとは 考えてもみませんでした
正直なところ 少々がっかりしました
何でしたら 娘として おつきあいくだすっても結構ですわ
そうは いきませんよ
何ですか?
僕の顔に 何か付いてますか?
誰にでも 秘密は あるもんですわ
(小六)秘密?
ええ
(小六)あるでしょうね 美しいものには特に
ご覧なさい この花は どうして こんなに色をたたえてるんでしょう
僕にだって 秘密は あるかもしれません
秘密のないのは 心から愛し合ってる人たちだけです
(しづ)照子 照子さん?
はい
あら こちらだったの
おかえりなさい いかが? お手
(小六)ええ もう大丈夫です
照子さん 母さん 急にご用ができて 行けなくなっちゃったのよ
(照子)あら どうして?
ハザマさんが いらっしゃるの
ねえ もったいないから あなた―
小六さんに一緒に 連れてっていただいたら?
ご覧になりました? 帝劇の「カルメン」
(津川)川北君
(津川)久しぶりだね
しばらく
(津川)やっとのことで 拝顔の栄を得たという次第だね
今 どこにいるの?
君に関係ないじゃないか
あるんだね
君の居所を調査してくれと―
蘭子さんに せがまれない日は ないんだ
こちらは? 紹介したまえ
(小六)大江照子さん
(津川)僕は川北君とは 昔からの親友でしてね
彼同様 よろしく
(照子)大江でございます
(津川)大江さんとおっしゃると 田園調布(でんえんちょうふ)の?
あなたは ハザマをご存じでしょ?
僕は ハザマを よく知ってるんですよ
お宅のうわさは聞いていました
しかし 注意しないといけませんよ
ハザマは金融業仲間でも 鬼という評判ですからね
いいかげんにしたまえ
君は 少しも変わってないね
変わらないね
あれもこれも 僕の傷口からは まだ血が吹いてるんだ
君は僕が忘れたとでも 思ってるのか
フン 僕は君のように厚かましく 純情型にはならないんだからな
(蘭子)何や 大の男が
ここは東京の真ん中やで
小六さん こんばんは
やっと ロミオ殿に お目にはかかったが
新しいジュリエットご同伴とは 心外というとこですね
(小六)失敬な
大江さんは 僕が ごやっかいに なってるとこの奥さんだ
さよか
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