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Le prime 200 righe.
(悦子(えつこ))おはようございます
(セシル・百合(ゆり)) おはようございます
(セシル) あの人 オシャレ!
どこの 編集者さんですか?
(百合)ああ… 編集者じゃないって
(セシル) え? でも どっから見ても…
(百合)あの人は 毎年 中途採用試験 受けに来るけど
毎年 落とされてる この時期限定のプチ有名人
(セシル)へえ~
(ノック)
(悦子)失礼します (茸原(たけはら))どうぞ
(悦子)河野(こうの)悦子です よろしくお願いいたします
(人事部長)君か (悦子)私です
(編集部部長)また来たのね (悦子)また来ました
どうぞ お掛けください
失礼します
(人事部長) え~っと 何回目になりますか?
新卒から数えると7回目です
7回?
うち以外の出版社は 受けてないんですか?
もちろん 受けていません
どうしてですか?
受かったら困るからです
え?
(悦子)私は 御社の編集者に なること以外考えておりません
私は 御社発行のファッション誌を 長年にわたって愛読…
いえ 愛してきました
「E.L.Teen(ティーン)」「Lassy(ラッシー)」「C.C」
「Every(エブリ)」「Enough(イナフ)」
中でも「Lassy」は 田舎の高校生だった私に
夢と希望を与えてくれました
2004年11月号の巻頭企画
“乙女ジャケットと お嬢様ジャケット”は
アイテム 配色レイアウト コピーまで
全て完璧で 一点の隙もないすばらしさでした
2005年10月号の
“カリスマファッション エディターの”
“一ケ月着回しコーデ” この特集には
初めて恋をしたときのような ときめきと感動を覚えました
そして ある日 確信したんです
私のいるべき場所は ここじゃない
「Lassy」の中にある
オシャレで 華やかで 洗練された世界こそが
私に ふさわしい場所だと 確信したんです!
(編集部部長)はい はいはい
ファッション誌への情熱は よ~く分かりました ただ…
募集要項にも明記してあるとおり
今年も 雑誌部門の編集者は 募集してないんですよ
分かっています
でも それは間違いです
(編集部部長)は? (人事部長)え?
(悦子) 失礼ながら「Lassy」の販売部数は
年々 減少の一途をたどっていると 聞いています
それは ここ数年 正式採用の編集者を
新卒でも ごく僅か 中途採用では 全く採(と)らず
雑誌作りの ほとんどの工程を 編プロやフリーの契約スタッフに
任せてしまってるからでは ないでしょうか
ですが この私を雇ってくだされば
読者が待ち望んでる企画を連発し
必ずや 売り上げ減少に ストップをかけるとお約束します
ですので どうか 私 河野悦子を
「Lassy」の編集者として 雇ってください!
お願いいたします!
(人事部長)なるほど
じゃあ あの… そろそろ時間ですので
はい ありがとうございました
ありがとうございました
ありがとうございました
すみません ちょっといいですか?
何か?
(悦子)このタイピン…
どちらのですか?
(茸原) ちょっと分からないんですけど…
これが 何か?
いえ いいんです 失礼します
(2人)おはようございます
(登代子(とよこ))ああ おはよう
(セシル)森尾(もりお)さん (登代子)ん?
(セシル)さっき ライターの渡辺(わたなべ)さんって人が
訪ねてきましたけど
(登代子)え~?
あっ!
まさかの すっぽかしですか?
え? ちょっと待って…
やっちまった…
今朝 ここ出るときまでは 覚えてたんだけどな
また徹夜だったんだ
校了だったから
あ~ 参ったな もう…
ハア…
(悦子)あっ ああ ごめんなさい (登代子)ごめんなさい
(悦子)ああ すいません (登代子)ごめんなさい どうぞ
森尾?
(登代子)え?
森尾だよね?
あっ
私 私! 高校の水泳部で 先輩だった河野悦子
やだ 久しぶり!
えっ 待って 何年ぶり? 待って 高校卒業したの18歳…
えっ 10年? ウソ そんなたった?
信じらんないんだけど えっ 待って 何してんの?
あっ 面接? 私 今 終わったところ
そっか~ あんたも苦労してんだね
頑張ってきな 私 ちょっと行くとこあるから
ごめんね じゃあね またね バイバイ!
(セシル) あの人 知り合いだったんだ
いや?
え?
ハア ハア…
(悦子)あっ すいません
(店員)いらっしゃいませ
(男)おかえり (悦子)ただいま
(悦子)あっ!
(尾田(おだ))はい お釣り 30万円 ヘヘヘ
毎度 どうもありがとうございます
(客)どうも (尾田)ヘヘヘ
(悦子)ただいま (客)おかえり
(尾田)おっ! おかえり! (悦子)ただいま~
(尾田)どうだった?
いけたかも
おっ!
ついに受かっちゃうかも~!
(尾田)去年も同じこと 言ってたけどな 食べるか?
食べる! えっとね 大根と卵 ダブル
(尾田)ああ 手洗ってきな (悦子)は~い
うん
ハア…
ん~ うまっ!
(笑い声) (西田(にしだ))もう1個 食うか?
(悦子)うん!
(西田)大将 えっちゃんに大根ね (尾田)はいよ
(悦子)ゴチになりま~す (尾田)ほい
(悦子)やった!
(東山(ひがしやま))で いつ分かんだっけ? (西田)何が?
(東山)だから合否だよ 出版社の
(北川(きたがわ))バカ 毎年毎年 同じこと聞いてんじゃねえよ
1週間以内に連絡が来んだよ
(東山) なんだよ… 落とすんなら お前
気 持たせないで さっさと連絡くれりゃいいのにな
(西田)そうだよな (東山)なあ
わあ これ いい~!
エディターズバッグ
エデターズバッグ?
エディターズバッグね
“エディター”って “編集者”って意味なんだけど
編集者が よく持ってることから この名前が付いたの
(4人)ふ~ん (悦子)ああ…
(悦子)こんなすてきなバッグ 持っていいのは
選ばれし民である ファッション誌の編集者だけだよね
(着信音)
(尾田)いるか?
(悦子)あっ はい
(鈴木(すずき))私 景凡社(けいぼんしゃ) 人事部の 鈴木と申しますが
河野悦子さんの携帯で 間違いないでしょうか?
はい はい
(鈴木)本日は 当社の面接に
お越しいただき ありがとうございました
(悦子)ありがとうございました! (鈴木)審査の結果…
(東山)おい! もしかして! (悦子)し~っ!
(鈴木)正式採用させて いただくことになりました
え?
はい
はい 失礼します はい
受かった
(4人)え?
景凡社 受かった!
(4人)うお~!
(東山)やった~! (西田)えっちゃん マジかよ!
(泣き声)
(東山)うわ~! (西田)ホントか!
(北川)ばんざ~い! (尾田)イエ~イ!
(北川)えっちゃん おめでとう!
(悦子)おはようございます! (百合)は… あ…
今日からよろしくお願いいたします
(セシル)お願いします
失礼します!
本日より お世話になります 河野悦子です!
どうぞよろしくお願いいたします!
あら? フフフッ
(望(のぞみ))あの…
はい?
(望)配属先が違うようです
地下 中(ちゅう)1階の 突き当たりの部屋に行ってください
(悦子)失礼します
あの…
(茸原)河野悦子さんですね
(悦子)は… はい
(茸原)ようこそ 校閲部へ
コーエツ?
(悦子)ちょっと待ってください 校閲って なんですか?
(茸原)校閲とは
印刷される前の原稿に 誤字脱字がないか
内容に矛盾や間違いがないかなどを チェックする仕事です
(悦子)いや そんなこと聞いてんじゃありません
あの 面接でも 私…
ファッション誌の編集者に なりたいって言いましたよね?
なのに どうして校閲なんですか?
残念ながら 今年も
編集者の採用者は 例外なく なしでした
ですが 私が あなたを…
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