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僕に言わせれば ドラマーは宇宙の中心だ
ザ・ルーツ ドラマー クエストラヴ
誰もボーカルやギターに 合わせては踊らない
モトリー・クルー ドラマー トミー・リー
ドラマーが人を動かす
ドラムは簡単に感じられる
感じられた音楽は 忘れることがない
ラッパー リル・ウェイン
メロディーなどは飾りだ
飾りではない 音楽の根本とは——
ポリス ドラマー スチュワート・ コープランド
骨盤を動かすものだ
人間を無意識に誘導し
人前で求愛のダンスを 躍らせる
それがドラムだ
ギタリストは必要ない ビートがあれば踊れる
トラヴィスのスタイルは 見るからに独特だ
メタリカ ドラマー ラーズ・ウルリッヒ
驚くべき身体の持ち主だよ
感覚はそれぞれだ
ドラマーがメンバーを 追い込むバンドもある
フー・ファイターズ ドラマー テイラー・ホーキンス
トラヴィスの演奏は 人を殴ってるようだ
ラッパー ザ・ゲーム
攻撃 痛み 怒り 全部 彼のものだ
総合格闘家 ネイト・ディアス
彼が 生き延びてきたことに
向き合える人は少ない
高次の力が 働いてるようだ
アルカライン・トリオ マット・スキーバ
イカロスのように落下した
頭が変になっても おかしくない
ミュージシャン マシンM・ガンG・ケリーK
ひとたたきごとに——
自分の物語を 世界に伝えてる
すごい物語だよ
イカれた物語だ ミュージシャン ヤングブラッド
昨夜 目撃者が見たのは——
高速道路を転がる “火の玉〟でした
それから道路では 火に包まれた2人の男性が——
火を消し合っていたそうです
ヤケドを負った男性が2人
頼むから 救急車を呼んでくれ
このドキュメンタリーは 9年 かけて——
2017年から2026年に 撮影された
2017年
北大西洋のどこか
墜落以来 飛行機には乗ってない
考えもしないよ
飛行機に乗ることを 頭に思い浮かべるだけでも
事故が フラッシュバックされるんだ
死や死をもたらすものから できるだけ遠ざかりたい
どんな手段を取ってもね
ヨーロッパには船で渡る
大西洋を横断する 9日間の船旅だよ
ツアーの唯一の手段だ
危険な目に遭わせたくはないが
理想的な形でもない
バンドのメンバーは 理解してるけどね
ブリンク 182& トラヴィスのマネージャー ローレンス・ヴァヴラ
今では航路を熟知して——
タイタニック号が 沈んだ場所にも気づく
波が高くなると——
救命胴衣を着る
いつ死ぬか分からないという 恐怖を抱えてるんだ
トラウマによる生理的な変化は 進化に関わる
記憶の超固定化が行われ 脳裏に刻み込まれるんだ
トラウマ専門家 ジョン・ ブリエール博士
鮮明にね
トラウマが深刻なら——
再び体験しているように感じる
6回ほど大西洋を横断した
慣れたし 自分のリズムを見つけたよ
一日に何時間も ドラムを練習するんだ
ドラムセットを持ち込んで——
提供された部屋に設置した
時々 訪れては——
目を閉じて 同じことを練習するんだ
目を開けると——
老人が5人ほど コーヒーを飲みながら見てる
まるで見せ物だ
でも1人になれるし 隣人に迷惑をかけない
理想は2つのバスドラムと 無数のシンバルの響きだ
ドラマーの激しい演奏を見て 喜ぶ子供だった
好きなドラマーは バディ・リッチだ
すごい腕前だし 魅せ方も知ってた
逆さドラムの第一人者だ
彼の代名詞は スピードと面白さ
俺が好きなドラマーの 2大特徴だ
トラヴィスのドラムは バディ・リッチ仕様だ
トムトムを前面に1つ 側面に2つ
シンバルは水平で傾けない
最小サイズで最大の出力だ
巨大なセットでも 力不足のドラマーはいる
一度 ドラム対決をした時 彼は一瞬も手を抜かなかった
トリプルロールをやったが
トラヴィスは手を止めない
アーティストで ミュージシャンだが
仕事はアスリートのようだ
ドラムを演奏する彼は ボクサーか格闘家のようだ
ショーのたびに リングに上がる
彼がドラムをたたくと 怒りの一部が飛び出す
痛みだらけだ
全力でたたきつけても タイミングがズレない
ブリンク 182 マーク・ホッパス
野蛮なまでに正確だ
彼のハイハットは ものすごく高い
会場の端まで届けるために 大きく振りかぶる
プリンス ドラマー シーラ・E
肘や回旋筋腱板が壊れそうで
後で痛むだろうと思わせる
手首は音を立てるし まるで割れるようだ
水ぶくれも切り傷もできる
ある日 途中で トラヴィスが止まった
よく見ると彼の手が
ランシド トランスプランツ
開いてた ティム・ アームストロング
骨が見えてたよ
彼はダーマボンドという 外科用の接着剤を使ってる
トラヴィスの ドラムテック ダニエル・ジェンセン
ダーマボンドを塗って——
少し待つ
“大丈夫だ〟と
そのまま演奏を続行した
そういう奴だ
バンド全体よりも 彼に注目した
獣だよ
ドラム戦争だ
アニマル!
きっかけは マペッツのアニマルだった
ワイルドで 楽しんでるように見えた
みんなはどうでもいい
アニマルに興味があった
俺がアニマルだ
そうか?
鍋やフライパンを 引っ張り出して
トラヴィスの父 ランディ・バーカー
たたいてたんだ
妻は“ドラマーにさせる〟と 言ってた
4歳でマペッツの ドラムセットを手に入れた
一日中 たたいてたね
子供の時は 練習を楽しめなかった
あの年齢の子供は ただ友達と遊びたいから
練習時間が決まってて よかった
母は同じ部屋で練習を聞き 録音してたから
どんな音が正解かを 知ってたのよ
トラヴィスの姉 タマラ・バーカー
母も楽譜の読み方を学び
俺と同じ演奏ができた
練習を怠ればバレたし “その音じゃない〟と言われた
俺が何者かになるのを 期待してたんだ
創造者のように 俺を形作ってた
母と仲がよかった
母がいなければ トラヴィスの——
今のような成功は なかった
トラヴィスの姉 ランダライ・バーカー
マザコンだったね
父も母を後押しした
私が執行者で 妻は家庭教師だった
質素な生活で
父が自分で家を建てた
ベトナム戦争の退役軍人で 製鉄所で働いてた
週に60時間 働いてたから 父と過ごす時間は少なかった
父は笑わない人だったから
友達は恐れてたわね
でも母は誰からも愛された
すばらしい女性だったよ
子供たちに尽くした
突然 妻の顔の片側が 腫れ上がり
4ヵ月間 おたふく風邪の 治療を受けた
最初は原因不明だった
シェーグレン症候群という リンパ節を攻撃する疾患だ
直ちに化学療法を受けるように 言われた
翌日 出勤したが
夜 帰宅したら娘が “ママの様子がおかしい〟と
30日後に死亡した
混乱したし怒りを感じたよ
神様とか宗教とか 習ってきたことに疑問を抱いた
神様はなんて無慈悲なのかと 思ったね
“バーカー家の妻&母 グロリア・M〟
父も打ちのめされてたから 頼れなかった
子供たちとは 多くのことを話さなかった
流れに任せていた
母が亡くなる前に 父の浮気を知って——
さらに打撃だった
浮気相手と長時間を過ごし たまに帰るだけ
そんな父を当然のように恨んだ
つらさを吐き出せるような 安定した場所がなかった
痛みをため込み ドラムで発散した
ドラムが癒やしだったんだ
母の最期の言葉は
“音楽に集中して ドラマーになって〟だった
だから入学初日に マーチングバンドに入り
打楽器を担当した
生きがいだったよ
“最優秀打楽器奏者 トラヴィス・バーカー〟
母が望んだゴールを 達成したかった
いい子だったけど
母が死んで問題行動を始めた
15歳で初めてタトゥーを入れた
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