لومړۍ 200 کرښې.
(ウェートレス)いらっしゃいませ デニーズへようこそ
(美代子(みよこ))決まった? (陽平(ようへい))あっ―
もうちょっと待ってくれる? え~っとね…
(美代子)じゃ 私トイレ行ってくるから
オムライスとシーザーサラダ 頼んどいて あと食後にコーヒーも
(陽平)ああ
(陽平)子供の頃から ファミレスが苦手だ
選択肢があまりにも多すぎて どれが正解か全く分からない
(女性)決まった?
(陽平の父)まだ迷ってんのか? 陽平
(陽平の母)ファミレス来ると いつもこうなんだから
(陽平) もうちょっと待ってくれる?
何でそんなに迷うんだよ いっつも
だって ハンバーグ頼んだあとで―
やっぱりカレーにしときゃよかったって 後悔したくないじゃん
人生は一度きりなんだし
何 生意気なこと言ってんの もうハンバーグにしときなさい
え~っ…
(美代子)頼んどいてくれた?
えっ? あっ いや…
(美代子)まだ迷ってんの? (陽平)いや じゃ ハンバーグでいいや
(チャイム)
(ウェートレス)お待たせしました ご注文は お決まりですか?
私はオムライスと シーザーサラダください
あと食後にコーヒーを (ウェートレス)かしこまりました
じゃ 僕はハンバーグで (ウェートレス)ソースは
デミグラスソースか おろしソース どちらがよろしいですか?
あっ そっか… え~っとね…
(陽平)おろしにしとけば? コレステロール高いし
じゃ おろしソースを
ライスかパンはお付けしますか?
じゃ… パン!
あっ いやいや… やっぱ ライスで
ご注文は 以上でよろしいでしょうか?
あっ ぼ… 僕もコーヒーを
コーヒーは いつ頃お持ちしますか?
(陽平)えっ… (美代子)食後でいいよね?
あっ じゃ 食後で
(ウェートレス)ご注文の 確認をさせていただきます
トローリ卵と チーズのオムライスがお一つ…
(陽平)今までも ことあるごとに 何が正しい選択か迷ってきた
妻と初めて会った時も…
(美代子)山下(やました)美代子です 教育学部2年
え~ 浜松(はままつ)出身で趣味は読書と おいしいものの食べ歩きです
(溝口)どうすんだよ 宮本(みやもと) (陽平)えっ?
(七海)俺 左 (溝口)俺 右
(七海)じゃ 陽平は 真ん中でいいよな?
(陽平)えっ? あっ… うん うん
(美代子)全然 そんなことないんです
今日は よろしくお願いします
(溝口)お願いしまーす!
(陽平)あの時 2つの言葉が 壮絶なバトルを展開した
(酒井)横浜(よこはま)出身です
趣味は勉強って言いたいけど―
幸子(さちこ)と一緒で 優秀な美代子には いっつもお世話になってるんです
(溝口)え~ できないんだ~ 勉強 いいね~
(美代子)できちゃったんだけど (陽平)えっ?
どうする?
あっ… 俺は 何て言うか…
(美代子)やっぱ産めないよね 私も教員試験あるし
陽平は大学院で 日本文学の勉強したいんでしょ?
あっ 早いうち病院行ったほうがいいし お金は半分出してくれる?
さすがに親に頼むわけには いかないからさ
(陽平)うん うん
でも 何でだろうね お互い 気をつけてたのに
まっ クヨクヨしても しかたないか
けっ… 結婚しないか? 俺たち
(美代子)んっ?
(陽平)あっ 俺 就職して教師になる
美代子の代わりに
あっ いや 俺も教師になろうと 考えてたし 実は
いいの?
俺は… 美代子の作った みそ汁が飲みたい
(美代子)フフッ…
何 その古典的なプロポーズ フフッ
(陽平)ハハッ…
(陽平)あの時 正直 こっちよりも―
こっちのほうが大きかった
こうして 大した心の準備もないまま―
美代子と結婚し 父親になったけど―
生まれた息子の名前を決める時も さんざん迷い…
んもう こっちにしたら?
こっちも捨てがたいし
じゃ 本人に 決めてもらいましょうか ねっ?
はい この子に見せて 笑ったほうにするの
どっちがいいでちゅか?
“正(ただし)”?
“優一(ゆういち)”?
(陽平) 27年前に生まれた息子は―
あっという間に成長し
(正)エヘヘ…
(陽平)結婚したい? (正)うん
そんな大事な話なら
もっと高いレストラン 予約したのにね
いや もう別にいいよ 優美(ゆみ)もファミレス好きだし
なっ? (優美)うん
相手に気使わないで 好きなもの選べるし
いろいろ頼んで シェアできるじゃないですか
でしょ? お父さんね 迷うからイヤだとか言うのよ~
今日はさ たくさん頼んで 思いっきり食べようか?
ねっ? (正)そうしよう…
(優美)はい (美代子)そうしよう…
(正)おなかペコペコだよ (美代子)ホント?
(正)うん
(美代子)お母さんね パスタな気分かな
(正)あっ いいね パスタ
(陽平)親の想像より はるかに早く結婚した一人息子は―
(正)じゃあね (優美)失礼します
(正)じゃあね (優美)失礼します
被災地のことを ずっと取材していきたいと―
被災地のことを ずっと取材していきたいと―
福島の新聞社に就職し―
福島の新聞社に就職し―
(美代子)気をつけてよ
あっけなく 我が家を去って行った
(美代子)うわ~ ひどい
行こう ちょっと 早く! ほら もう行こう 行こう…
早く 早く…
開けて 開けて お父さん
うわ~
(陽平) こうして 俺たち夫婦は―
50になって 初めて2人きりになった
(美代子)お父さん―
何やってんの?
いや ちょっと 思い出したから
(美代子)何を?
正の名前決める時 お母さん 赤ん坊のあいつが
“正”のほう見て 笑ったって言ってたけど
ホントか? あれ
(笑い声)
(陽平)違いが よく分からないからさ
(笑い声)
(陽平)今でも
(美代子)何よ 今頃 後悔してるの? 正って付けて
(陽平)いや そうじゃないけどさ
(美代子)それよりさ 飲まない?
これからは 2人きりだし 仲よくしないとね
(陽平)ああ いいけど
(美代子)ついでに何か作ってよ
料理教室で習ってないの?
手軽にできる酒の肴(さかな)みたいなの (陽平)えっ? まだ食うのかよ?
(陽平)妻が言ったように 1年前から料理教室に通い始め―
自分でも 意外なくらいにハマっている
今日は 小腹がすいた時
冷蔵庫にある残り物で作れる 料理を紹介しましょう
野菜室にキャベツ―
ストッカーに コンビーフの缶詰があったので
これを使いましょう
ざく切りしたキャベツを―
オリーブオイルと ニンニクで軽く炒(いた)めてから―
コンビーフを入れ 白ワインを振って―
それだけで できあがり しかも味付けは
食べる時にほぐして キャベツに絡めるコンビーフだけ
それで ビックリするほど うまみがあるから―
コンビーフ恐るべし
ホントだ
(美代子)何それ? (陽平)んっ?
マヨネーズで和(あ)えたツナの ブルスケッタ―
いや このままだとね 子供の味だけど
それにブラックオリーブと カイエンペッパーを混ぜると
あっという間に 大人の味になるんだな これが
何?
何か 楽しそうだなぁと思って
(陽平)そうか?
(陽平の鼻歌)
(陽平)よ~―
よし…
(陽平)あの ちょっと 飲みすぎじゃないか お母さん
(美代子)いいじゃない
今日は2人だけの生活の スタートなんだから
そうだ 一つ約束しない?
(陽平)えっ? 約束?
(美代子)うん これからは お互い “お父さん”“お母さん”じゃなくて
名前で呼び合うの (陽平)えっ? 何で?
だって 私たちだけしかいないのに
“お父さん”“お母さん” ってのも おかしいでしょう?
まあ そうだけどさ
じゃ やってみて
えっ?
こういうのは 早く慣れといたほうがいいし
いや… いや 急に言われてもさ
それにほら 正たちと会う時 どうするんだよ
そういうのは 臨機応変でやってよ
大人なんだから
いやいや 何言ってんだ… 臨機応変って言ったってさ そんな…
分かった じゃ 私からやるね
陽平
(陽平)お前 酔ってるだろ? (美代子)フフフフフ…
はい 陽平
(陽平)だからさ…
早く 陽平!
分かったよ
美代子 (美代子)フフフフフ…
陽平
み… 美代子
よ・う・へ・い
(陽平)これは 何かを要求されてるのか?
だったら 覚悟を決めるしかないのか?
(美代子)陽平…
(陽平)お母さん そんなとこで寝たら風邪ひくぞ
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