لومړۍ 200 کرښې.
(祐介(ゆうすけ))はーい!
金ブラのロマンチック担当 祐(ゆう)ちゃんで~す!
え~ 今日は文京区(ぶんきょうく)の
善人通(ぜんにんどお)り商店街に 来ていまーす!
ご覧ください この長蛇の列!
あっ どうも こんにちは
あっ お父さん かわいらしい帽子ですねぇ
あぁ こんにちは パチッとやめてね
アカデミック担当の大(だい)兄ちゃん 見えますか~?
(大介(だいすけ))アカデミックはいらないよ
あー見える見える すごいね なんで並んでんの?
(祐介)この商店街は 通称“山(やま)ちゃん通り”
または“ハムカツストリート”と 呼ばれてるんです
(大介)ハムカツ?
(夏目(なつめ)アナ)あぁ 私 ハムカツ大好きなんですよ
(大介)ああ 知ってる 知ってる ねぇ
ハムカツといえば ナツヤンですよね
(祐介)この商店街の中心に ハムカツといえば ナツヤンですよね
(祐介)この商店街の中心に
(夏目アナ) そんなことないですよ (祐介)この商店街の中心に
山ちゃんってお店があるんですけど
ここの秘伝のソースをかけた ハムカツが大人気なんですよ~! (鈴(りん)の音)
ここの秘伝のソースをかけた ハムカツが大人気なんですよ~!
(上重(かみしげ)アナ)秘伝? 秘伝のソース 気になりますね 大介さん
(みどり)店長 き 来ます! 来てます!
(祐太(ゆうた))まあ みどりちゃん たかがテレビです 騒ぎすぎです
(祐介)焦らない 焦らない 兄ちゃん
そのことは ここのお店のご主人に 伺ってみたいと思いまーす
(大介) おお 伺って 伺って!
(祐介) ごめんくださーい! (みどり)来ました!
(祐介) ごめんくださーい!
(祐太)はいはい はいはい はいはいはいはい… (祐介) ごめんくださーい!
(祐太)はいはい はいはい はいはいはいはい…
(祐介)うわ~ おいしそうなソースの匂いですねー
(大介)匂いじゃ分かんないよ! (上重アナ)そうそう… 味で 味
(祐介) こちらがご主人の… (大介)匂いじゃ分かんないよ! (上重アナ)そうそう… 味で 味
(祐太)山ちゃんです~
ああ ソースはですねぇ 先代から…
(祐介) 俺には兄貴がいるらしい
兄の名前は 下井草(しもいぐさ)祐太
両親が離婚したとき 兄は8歳だった
(借金取り)おい! 貸した金どうなってんだよ!
(借金取り)おいこら! ちょっと待たんかい こら!
(借金取り)早く返せよ おい! どうなってんだよ おい!
おい! 待て 待て! 開けろ!
(祐介)原因はおやじの借金
(健太)ファンタスティック!
(祐介)浮気
ソーリー フライトタイムの時間だ
(祐介)虚言癖
(咀嚼(そしゃく)する音)
(祐介)食べるときに クチャクチャ音を立てる癖
(おならの音)
(祐介)屁(へ)を燃やす癖
それから
抜けた体毛を燃やして…
(健太)臭(くさ)っ!
(祐介)その匂いを猫に嗅がせる癖
(健太)女の子だったら 顔見せに来い
(祐子)男だったら?
(健太)来なくていい
じゃあな
あ 俺か
来い!
(祐子)必ず迎えに行くから
(祐介)家と職を同時に失った おやじは 兄貴を連れて放浪し…
(正徳) ヘイ らっしゃい らっしゃい!
山ちゃん秘伝の12年ソース こちらだよ~
(安江(やすえ))これいい? (正徳)はい 揚がったよ どうぞ
(正徳)山ちゃん秘伝の12年ソース こちらだよ~
山ちゃん秘伝の12年ソース…
ちょっと あんた
(正徳)あっ 何? うん?
健(けん)ちゃん!
(祐介)数少ない人脈を頼って
下町の小さな総菜屋で 今度こそ真面目に働く決心をした
一から出直しだ
(祐介) その舌の根も乾かぬ7時間後
おやじは店の売り上げ金を奪って “山ちゃん”を出た
(正徳)あぁ!! ああ~! ああ…!
(安江)ああぁ! えぇえ!
ハァ… あー…
(徹子(てつこ))もんきちくん 何して遊ぶ? おにごっこ?
(祐介)残された兄貴を 主人は放り出すわけにもいかず…
なんとなく預かることにした
なんとなくかわいがると 兄はよく働いた
バカみたいに働いた
(祐太)毎度ありがとうございます お持ちします
(祐介)働くバカと呼ばれた
(ハナさん)トシ! 配達行っとくれ
(トシちゃん)うるせえ! ばばぁ!
(ハナさん)わぁ! (トシちゃん)忙しいんだ 俺は!
(ハナさん)この親不孝もんが!
(祐太)お母さん 僕が手伝います (ハナさん)あっ そう?
(祐太)いただきます!
(祐介)そんな兄貴に ご主人は
(正徳)俺が22年間
一日も欠かさずに つぎ足してきた 秘伝のソースだ
よく見てろよ
明日から お前にやってもらう
(祐介)山ちゃんの看板を譲った
(正徳)祐太
明日からお前が 二代目山ちゃんだ
(祐太)二代目? えっ でも徹(てっ)ちゃんが…
(正徳)あいつはダメだ 食うばっかりで
せめてデブじゃなけりゃあ 嫁にもらってほしいんだけどなぁ
とにかく しっかり頼むぞ 山ちゃん
(祐介)そんな心優しいご主人も
8年前にこの世を去り
(鈴の音)
(中(なか)やん)山ちゃん おはよう!
(祐太)あぁ おはようございます
(祐介)ひとり娘の徹子は 成人すると あっさり家を出て
残されたお母さんは…
(祐太)お母さん 何してんの?
(安江)はい? (祐太)アハハ
何してるんですか?
セーターを編んでるんですよ 山ちゃん
山ちゃんは お迎えが来て 先に行っちゃいましたよ
うう… う…
はいはいはい はい はい はいはい
山ちゃんですよ!
だっこして
(祐太)はい (安江)アハハ…
(祐介)兄貴は人から頼まれて 断ったことがない
(パン屋さん)ケーキ! ケーキ! 忘れてますよ!
(主婦)あら やだやだやだ (主婦)やだ どうもすいません
(パン屋さん)メリークリスマス!
(ハナさん・主婦)乾杯!
(主婦)山ちゃん! (祐太)メリークリスマスです!
(ハナさん)山ちゃん ありがとね
(祐太)いいえ
(トシちゃん)おい山ちゃん! いっつも悪いねえ!
いいえ 好きでやってますから
(子供たち) 山ちゃん こんにちは!
(祐太)こんにちは!
(子供たち)早く行こうよ!
(八百屋さん)大根じゃないよ~
(主婦たち)よいお年を~
(主婦)今頃? (主婦たち)無理 無理!
(主婦)あっ 奥さん!
(中やん) 山ちゃん もう人がいいんだから
(祐太)好きでやってますから
(子供たち) ありがとう 山ちゃん!
(祐太)好きでやってんだって!
アハハハハ… あ~!
(トシちゃん)ハハハハ 山ちゃん… 聞いたよ 聞いたよ!
やっちゃいました!
(人々の騒ぎ声)
(トシちゃん)あがって あがって… あがっちゃえ あがっちゃえ!
(祐介)究極の八方美人
それが兄の生き方
自分を なんとなくかわいがってくれた 善人通り商店街への せめてもの恩返し
(祐介)わぁ~ おいしそうなソースの匂い!
そんな人柄も手伝って 山ちゃんは 行列のできる人気店になったのだ
あっこれ すいません 触らないでくださいね
兄ちゃん見て 兄ちゃん! これがね 食べたかったんですよ
この揚げたてのハムカツを…
(祐太)俺には弟がいるはずだ
両親が離婚したとき 弟はまだ腹の中にいた
(祐子)うっ!
くっ くっ 来る! ああ!
来たぁ~っ
ヒッヒッフー
(助産師)はい お待ち
(祐子)ヒッヒッフー ヒッヒッフー
(助産師)そうだそうだ ヒッヒッフー (祐子)ヒッヒッフー
(助産師)上手だ 上手だ!
(祐子)お茶は セルフサービスで お願い… します… フウ!
(祐太)陣痛から27時間後に 弟は産まれた
(赤ん坊の泣き声)
(助産師)ほーら出た 立派な男の子 アハハハハハ!
(祐太)安産だった
(学校のチャイム)
(祐太)弟はすくすく育った
が いかんせん貧乏だった
(先生)全員 目をつぶれ!
長谷川(はせがわ)の給食費を盗んだヤツがいる
心当たりのあるヤツ…
おい 祐介 お前何やってんだ?
(祐太)こういう場合
母親が病弱だったりすると 周囲の同情を買うものだが
あいにく母は…
ちょっと先生!
うちが貧乏だからって 泥棒呼ばわりですかっ!
(祐太)すこぶる元気だった
証拠はあるんですか!?
うちの祐介がやったって 証拠はあるんですか!
見たんです 現行犯です!
(祐介) お母さ~ん! お母さ~ん!
(祐太)元気な人が 長生きするとは限らない
楳図(うめず)かずお!?
(携帯電話の呼び出し音)
(ボーダーシャツの人)もしもし
(電話案内の声) 正午をお知らせします
(時報の音)
(祐太)母は 元気に早死にした
食堂は潰れ 弟は 親戚をたらい回しにされたという
(体育教師)おい 集まれ!
(ホイッスルの音)
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