The first 200 lines.
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急いだほうがいい
間に合わない
大丈夫 何とかなる
お前は休め
俺の番だ
“大丈夫 何とかなる”
俺の兄 ヘンリーは―
すべてがうまくいくと 信じている
“綿の種をまく頃には 必ず好天になる”
“嵐が来る前に 墓穴を掘り終える”
何てこった
何だ?
奴隷の墓だぞ
なぜ分かる?
頭を撃たれてる
脱走したんだな
中止だ
どうして?
黒人嫌いの親父を 奴隷の墓に埋められない
手を貸せ
やるしかない
もういい やめよう
出るぞ
つかまれ
しがみつけ
クソッ
ジェイミー 頑張れ
無理だ
はしごを持ってくる
ヘンリー
ヘンリー
ヘンリー!
どこだ?
ジェイミー 大丈夫か
俺の兄 ヘンリーは―
すべてがうまくいくと 信じている
そして弟の俺は―
決して兄を裏切らない
行くぞ どうした?
見放されて 置いていかれるかと
そんなことするかよ
弟を見放すもんか
マッドバウンド 哀しき友情
農園と言えば泥を思い出す
体は泥まみれになり―
家の床は泥の足あとだらけ
夢も茶色で見た
持ち上げてくれ
ちゃんと持て 上げろ
しっかり持て
もっと上だ
いったん下ろすぞ
ロープを縦にしよう
バランスが悪い 落ちるぞ
やろう
ダメだ
ヘンリー
ハップ!
やめて
自業自得だ 俺はずっと忠告してた
そっとして
ハップ 止まってくれるか?
手を貸してくれ
埋葬を済ませたい
ハップ
1939年の春―
31歳で処女の私は ヘンリーと出会った
まだ私は親元で暮らしていた
彼は私を狭い世界から 救い出してくれた
大学を出ているんですって?
工学部です
ミシシッピ大の工学部?
ミシシッピ大の工学部なんて すごいわね
ローラも大学出なの
教員免許を持ってて 自慢の娘よ
うちで一番 賢いんです
僕なんか足元にも及ばない
賢い子よ
ローラ 食事が終わったら ピアノを弾いて
歌声も天使みたいなの
マッカランさんに “アヴェ・マリア”を歌って
お気に召すかと…
ママ
何?
テディが上司を呼んだのは 歌のためじゃないわ
聞いてみましょ
マッカランさん 食後に音楽はいかが?
歌は好きです
好きだってよ
男性からの求愛に不慣れで 舞い上がったが
オールドミスへの同情や 好奇心を避ける盾にはなった
沈黙が続いても彼は動じない
自信があるのだろう
愛してはいなかったが―
彼に感謝の気持ちは 感じていた
弟が来週 オックスフォードから来る
君に会わせたい
いたぞ
ジェイミー こっちだ
元気そうだ
お前もな
メンフィスの水が合うのか
女のおかげか?
ローラ 弟のジェイミーだ
会えて光栄よ
こちらこそ
何かの芝居のマネか?
何の役だと思う?
ハムレット? ファウスト?
役者で食っていけるといいな
何の役だと?
パックかしら
パック?
“人間とは愚かなもの”
パックは妖精よ
悪かったな 彼女を感動させたくてね
ローラはたやすく 感動する人じゃない
行こうか
行こう
お前が来ることは 親父に伝えた
もっと聞きたいわ
濁流に巻きこまれてね
俺は脳振盪(のうしんとう)を起こし 死にかけた
ミシシッピ川の大洪水でね
初めて聞いたわ
続きが
どうなった?
流れ星のような光が差した
すると神の手が 俺を助けてくれたんだ
その手はヘンリーの手だった
弟の命を救った英雄ね
そうだ
溺死させるわけに いかないだろ
君たちの未来に乾杯しよう
幸せと健康と繁栄を祈って
子宝にも恵まれるといいね
2人に愛を
泡がすごいわね
彼女と踊ってもいいか?
ローラ 踊らないか?
喜んで
ジェイミーに見られると―
自分は見えない存在だという 気持ちが消えた
ありがとう
すぐ戻る
よかったぞ
今夜はきれいだ
ありがとう
ジェイミーと接する女性は みんな輝くんだ
弟は君が好きだ
彼は万人を愛する人よ
特にスカートをはいた相手を
ヘンリーのプロポーズは 私の理想と違った
ひざまずくこともなく 求婚というより宣言だった
ヘンリーは ロマンチックではなく―
体を動かすほうが得意だった
大丈夫?
家庭が好きだった
従順に 夫の帰りを待つのが 私の天職だった
アマンダ・リーが生まれ 人生を育児に捧げた
そして あの日を境に すべてが変わった
1941年12月7日は―
卑劣な日として 永遠に記憶されます
アメリカ合衆国が 大日本帝国の海空軍によって
突然かつ意図的に 攻撃を受けたのです
アメリカ合衆国は―
日本と平和的な関係でした
また日本の懇願を受け…
父がトラックを 手配してくれた
よく覚えてる
最初と最後の出来事が
一番 記憶に残る
ありがとう
無事を祈ってる
忘れないでね
忘れるわけない
ずっと忘れないよ
気をつけて
ああ
みんなで母さんを支えろ
いいか?
もちろん
妹に悪い虫を近づけるなよ
戻ってきて
ああ
必ず戻ってくるのよ いい?
愛してる
母さんもよ
ありがとう
振り返れなかった
振り返らなかった
見送るのは縁起が悪いから
ロンゼルの心臓の鼓動を―
いつも思い出せる
温かくて元気だった
私にはすべて分かる
だから振り返らなかった
えこひいきはしない
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