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南無妙法蓮華経 南無妙法蓮華経 南無妙法蓮華経
南無妙法蓮華経 南無妙法蓮華経 南無妙法蓮華経 南無妙法蓮華経…
南無妙法蓮華経 南無妙法蓮華経…
なんみょうれんぎょう なんみょうれんぎょう…
おそうさま 毎度のことですが
どうか 母ちゃんの頭が よくなるように
よろしくお願いします
なんみょうれんぎょう なんみょうれんぎょう なんみょうれん…
どうして そんな顔するのさ
母ちゃん 何が心配なんだい
何でもないよ
母ちゃんは何も心配なんか しちゃあいないよ
お願いします おそうさま
毎度のことで飽き飽きするかも しれないけど
母ちゃんのことは よろしくお願いします
なんみょうれんぎょう なんみょうれんぎょう…
南無妙法蓮華経 南無妙法蓮華経…
あっ いけねえ 今日は遅番だけど 急がないと遅れちゃう
近頃 整備の奴 なっちゃねえからな
点検に時間がかかって しゃあねえんだ
それじゃ 行ってきます
今日は8往復で昼休み
それから また8往復だから 帰りは夕方になるよ
しゃあねえな
整備の奴 何をしてんだい
なっちゃねえな
もう こいつも古いからな
整備の奴らに小言 言っても しゃあねえだろう
カチッ
シュー (ドアの音)
ガチャ
カチッ!
ピシュー
さあ 発車しようぜ
パーッ (警笛音)
カチッ
どですかでん
どですかでん
どですかでん どですかでん どですかでん…
電車バカ! 電車バカ!
電車バカ! 電車バカ!
どですかでん どですかでん どですかでん どですかでん…
シュー!
どでどでどでどで どですかでん どですかでん どですかでん…
シュー!
どですかでん (ゆっくりになる)
シュー
カチッ
たんばさん おはよう
ああ おはよう
まだ信心してるかね
ああ 朝と晩 おそつさまに 信心してるよ
おお おっ母さんも大抵じゃないね
大丈夫さ 心配なんかないよ 俺がついてるからな
ははっ それはそうだ
どうだね 今日の電車の調子は?
うん あまりいいとは言えないが まあまあだよ
ところで おじさんの仕事は うまくいってるのかい?
うーん
私の方も まあまあだな
さてと…
ああ おっ母さんに よろしくってな
あんた
今日は屋台で引っかかったりしないで まっすぐ帰ってくるんだよ
うるせえな そんなこと言うから つい屋台に引っかかっちまうんだよ
パーッ どですかでん どですかでん
オス
おい 初っつぁん そろそろ出掛けようぜ
兄貴か 今行くよ
オス
いいかい
またベロベロになって帰ってきたら もう家へは入れないからね うち
困ったアマだな 兄貴が迎えに 来てくれたのに挨拶もしねえで
でもさ この人とときたら ゆうべも
さあ 兄貴 行こうぜ
こいつのごたく聞いてたら 日が暮れちまわあ
全く なんだな 女なんてみんな 似たり寄ったりのもんだな
よけいなこと言っちゃあ 亭主のへそをひん曲がらせちまうんだ
けったくそ悪い どうだい 初っつぁん
帰りにどこかで一杯 引っかけようぜ
おはようございます いってらっしゃい
<<<っ <<…
フーン
島さんはいい人だけど
あの顔の病気と あの奥さんには どうにも馴染めないよ
ねえ
いらっしゃい
これ はかっとくれ
キャベツは目方じゃなくて 1個いくらと決まってんだがね
こんな傷だらけの しなびた葉っぱまで 値段に入れようってのかい
へん 安八百屋が聞いて呆れるよ
とんだ言いかがりは やめてほしいな
中通りの八百屋へ行ってみなよ
俺んとこの方が2割方安く 売ってるのが分かるだろう
安かろう悪かろうさ
中通りの八百屋と お前んとこじゃ 品物が違うよ
かなわねえな 全く
キャベツ1個で こう ごたく並べられるのは真っ平だよ
ふん そんなキャベツ ただで くれてやるから持って… いきなよ
何だと!
すんません
あたしは乞食じゃないんだぞ
ちゃんと買おうと言ってるからにゃ れっきとした客じゃないか
それをお前んとこじゃ
すんません つい口がすべっちゃって
どうも… そ… それかして下さい 早速 秤にかけますから どうも
(みさお) 何だね 1本ぐらい
そんな細っこい毛 少しぐらい数が違ったって
どうってことないじゃないか
(良) そうかもしれないけどね
30本にしないと 俺の気が済まないんだよ
あたしゃ お前のすること見てると 足の裏がむずむずしてくるよ
よう おめえ また腹が出っ張ってきたよう…
今度は誰の子だい
俺の梅子の母ちゃん
おめえ また若え男ができたっていうけど めっきり女っぷりが上がったぜ
おい おめえ この頃すっかり ご無沙汰だな
あんまり若えのばっかり可愛がらねえで たまにはお裾分け頼むよ
乙に澄ますねえ みの字
久しぶりに おいらと ごってりといかねえか
おい 俺たちの子供らは みんな元気かい
ちえっ
(京太) いいか かつ子 これは大変な災難だぞ
伯母さんは難しい手術をするために 入院した
いつ退院できるか分からないんだよ
費用は お前の母親のところで
ひとまず まかなってもらうことに 話はつけた
しかし 実の姉のためだというのに
その手術や入院費用は月々 お前の養育費から返せという宣告なんだ
ひとつよく考えるんだぞ かつ子
生みの母も及ばない 深い恩のある伯母さんのためだ
ここは精一杯 働く時だ
伯母さんが病院で何を心配してるか お前はよく知ってるはずだ
お前がもう少しマシな器量で 体つきも大人びていりゃ
もっと楽で 実入りのある仕事も あるんだ
お前じゃ まあ内職でもするよりほか 仕方あるまい
その代わり伯母さんの分まで やるんだぞ
分かったな
お前 人類学的な存在じゃないな
いや 動物学的でもない
もはや植物学的な存在だと 言うほかはないな
(岡部) ちわあ 伊勢正です
相変わらず飲んでるのかい
いいお得意だから悪口言っちゃ 悪いけど
あの人 本当の怠け者だね
奥さんと かっちゃんばっかり働かせて
自分は何もしないで飲んでるか 寝てるかだ
第一 奥さんが入院してから かっちゃんばかり働かせてるんだろう
また痩せたね
これ あげるよ おいしいよ
じゃ またね
(吉) ううーん あーっ
やあ 景気はどうだい
やい 挨拶ぐらいしろ この野郎
へつ あ… あれは生きた 人間の目じゃねえぜ
気味の悪いの何のって
ありゃおめえ しんだんじんの目だよ
俺は賭けてもいいが あいつの体を流れてる血は ―
氷みてえに冷てえぜ きっと
けっ
(父) 家を建てる場所は丘の上がいいな
(子) うん
日本人は昔から山の陰とか 谷間とか
丘のふところとかね
低いところばかり好んで 家を建てる癖があった
そうだね ほんとだ
写真を見てもさ
外人(うち)の家はみんな丘の上とか 丘の真ん中辺にあるけど
日本人(うち)の家は大抵 低いところにあるね
それには理由があるんだな
日本は地震が多いし 台風も多い
木造建築は高いところで 揺さぶられたり
強い風当たりを受けると弱い
だから そういう危険の少ない場所を 選んで家を建てたんだ
だが それだけでもないんだよ
日本人は開けっ広げの明るさよりも
やわらかい光を好んで 陰のできる場所を選んだんだ
つまり自然に抱かれて生活するのが 好きなんだ
だから石で建てた家には なかなか馴染めなかったんだよ
ふうん
そうだね 僕(うち)も石の家なんか 好きじゃないよ
寒いしさ やだな
でも そうばかりも言えないんだよ
確かに日本人には木造建築が 合ってるけれど
民族の性格まで それに順応して
持続性のない薄弱な人間ばかりに なっても困るからね
外人の性格と能力を 支えてきたのは
石と鉄とコンクリートで造った 家の中に住んできた生活だよ
うーん
さて いよいよ自分の家を 建てるとなるとね
将来のことを考えて
君や君の子供や 孫のことも考えて 設計しなければならない
うん そうだね
どですかでん プシュー!
どですかでん どですかでん どですかでん…
どですかでん どですかでん…
どですかでん どですかでん
プワーッ
どですかでん どですかでん… プシュー
若い頃は きっと いい男っぷりだったろうね
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