199 บรรทัดแรก
NETFLIX オリジナルアニメシリーズ
(貝森(かいがもり)) 露伴(ろはん)先生 お疲れさまで〜す
いい天気っすね〜
何読まれてるんですか?
(露伴)ド・スタールだよ
ドスタール?
新人バンドか何かですか?
あっ
(露伴)画家だよ
55年に亡くなった ロシア出身の画家さ
あのね 貝森君
仕事の打ち合わせに 遅れるってのは
社会人として もちろんNGなんだが
漫画家のとこに 6分も早く着くなんて
編集者として
礼儀知らずって もんじゃあないのか!
あっ!
し… 失礼しました
早いのもダメですか?
僕だからよかったな
じゃあ 早速
次の読み切り61ページの 打ち合わせをしようか
(小林(こばやし))すいません 露伴先生 ファンなんっす
(音石(おといし)) サインしてもらっていいっすか?
“音石君”って書いてください
(貝森)ダメ ダメ! サインはダメよ 君たち
今 仕事中だからね 忙しいの
(露伴)もう既に描いたよ
(貝森)え?
仕事の遅いヤツと一緒にするな
サインくらい スペシャルサンクス
(小林)どわっ!
いつの間に すっげえ ドリッピング画法!
コーヒーで?
ありやとっす! ど〜もしたっ!
(小林)来た これ 来た これ 来た これ〜!
(貝森)ああ…
(露伴)ところで ちょっとさあ
打ち合わせの前に 生々しい話 してもいいかい?
(貝森)はあ…
ずばり言うと金の話だよ 原稿料の話 いいかい?
前借りできないかな?
実は最近 破産した
(貝森)え?
借金まではしていないんだが
今… 家がない
ええっ!
(露伴) 康一(こういち)君のとこ 泊めてもらってるし
漫画描く机もない
はあ?
(露伴) 「セーラームーン」のフィギュアも
「レッド・ツェッペリン」の 紙ジャケも
「るろうに剣心」も 全部 売っ払(ぱら)っちまった
なんですって!
仕事場ないんですか!
破産て…
でも この間 露伴先生 山林買ってたでしょ? 別荘地の
だからさ
あの山で妖怪伝説の漫画 描くってんで取材してたろ?
開発業者がリゾート道路 通そうとしやがったんだ
それで周りの山を6つ買って 道路工事を阻止したんだよ
できるだけ面積たくさん 買わなきゃダメだろ?
道路を止めるんだからな
で リゾート道路計画が なくなったもんだから
土地価格が値崩れして原野同然
買った6つの山は 二束三文になっちまった
つまり僕は文なし 原稿料 前借りできる?
ちょ… ちょっと待ってください
先生 漫画の取材のために あそこの山買ったんですか?
(露伴)ああ (貝森)投資目的じゃあなく?
そうだよ 必要なのはリアリティだ
妖怪伝説の取材のために?
くどいな! もし道路が開通してみろ
妖怪が逃げて いなくなっちまうかもだろ?
そうなったら 台なしってやつだ
(貝森)うっ…
おいおいおいおい なんだよ その顔は
今 目をそらしたな
あっ 目をそらしてる
僕のこと 頭が危ないヤツだと 思ってるらしいな
編集者君!
いいか! スーパーカー買ったり
自宅の地下に ゲームシアター作ったりするだけが
漫画家の金の使い道じゃあないだろ
フンッ しかも ちゃんといたんだからな
取材の価値は十分あったぜ
(貝森)えっ…
(露伴)いいか この話をするのは 君の編集部だけだぜ
え… いた? えっ?
“いた”って何がいたんです?
君ね 人の話 ちゃんと聞いてんのか?
この目で見たんだ
六壁坂(むつかべざか)の妖怪は今もいる
ヤツは まだ今も あそこにいるんだ
すみません 露伴先生
もう一度 言ってもらっていいですか?
何がいるんですって?
(露伴)大郷楠宝子(おおさとなおこ)は 来春卒業予定の女子大生だが
9月の終わりに ボーイフレンドを殺害した
(露伴)大郷楠宝子
彼女は 六壁坂村で300年続く みそ作りで成功した一族の一人娘
その屋敷は 一本道の突き当たりにあり
つまり 山全体が大郷家の所有
(テレビゲームの音)
(楠宝子) ねえ 今日は帰ってくんない?
(郡平(ぐんぺい))ああ?
ゲームも片づけてね
なんだよ
本宅のほうに誰か来たのか?
(楠宝子) いいから帰ってってば 裏からね
(郡平)楠宝ちゃ〜ん う〜ん…
最近 なんつうかさ 冷たくなったよね
まっさかのまさか ほかの男でも…
感づいてるなら話が早いわ
お互い楽しい思い出だった ということで
うちのお父様が許すわけないのよ
あなたは ただのバイトの庭師
私は この家の財産を 守らなければならない 一人娘
嫌〜だよっと
ウソでしょ 楠宝ちゃん いいじゃん このままで
(楠宝子)放して (郡平)別に別れなくても
(楠宝子)放してよ!
こうやって抱きついてるとこ 見せつけてやるか
その新しい野郎とお父様に
放してってば!
なっ… 何!
(楠宝子)いやあ!
うっ
ご… ごめん でも…
き… 君が先に殴ったんだからね
ホントに好きなんだ
楠宝ちゃん このままでいいんだ
誰にも ないしょのままで…
帰って! 帰ってよ!
楠宝ちゃん ねえ…
(楠宝子)帰って! そのお金持って帰ってってば!
(郡平)ああ!
(笑い声) あ…
(父)君が突然訪ねてきたので 慌てるかもな
おめかしするのに必死で ハハハハハ…
(楠宝子)マズいわ こっちに来る
お願い 早く荷物を持って出てって
本当のことを言うわ
あなたは すてき
でも 彼はフィアンセよ
来春 卒業したら 結婚することが決められているの
だから もう終わり 会うことはできないのよ
ん?
あ…
郡平?
ねえ
ハッ…
ウソ…
また からかってるんでしょ? 私のこと
郡平…
ふざけないでよ
脈が… ない
し… 死んでる
(露伴)大郷楠宝子は とにかく
郡平の傷の手当てを してやろうと思った
(荒い息)
(露伴)近くにあったタオルで 傷口を押さえて
(楠宝子)これは郡平の悪ふざけ
絶対に何かの間違い
私は軽く押しただけ
(楠宝子) なんで あそこにゴルフクラブが?
なぜよ!
まるで まるで私が…
ゴルフクラブで 殴ったみたいじゃあないの!
郡平! ど… どうしよう
医者よ 医者を呼ばなきゃ!
あ… もし死んでたら 医者って役に立つの?
まさか 電話して呼ぶのは 警察のほう?
(ノック) (父)楠宝子 いるのか?
父さんだ
ハッ…
(父)修一(しゅういち)君が遊びに見えてるぞ
お前に会いたいそうだ
ハッ… うっ…
(楠宝子)いない 私は ここにいないわ
私は どこにも存在しない
(父)鍵がかかっているな
楠宝子のヤツ ここじゃあないのかな?
(楠宝子)うっ うっ…
(修一) 気のせいかもしれませんが お父様
先ほど ここの窓の障子が動きましたが
ハッ…
うっ うっ…
かっ 隠さなくては!
どっ どこかに!
とりあえず 郡平を!
う〜ん!
ソファの下
ハッ…
何 これ?
脈がないのに 心臓も動いてないのに
どういうこと?
(父)楠宝子 いるのか?
ハッ!
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