The first 200 lines.
獣は然るべき場所にて 干渉せずにおくべきだ
彼らに対して 滅多に質問はしない
さもないと信念を砕かれ 恐怖を抱くことになる
チャ︱ルズ・ボ︱デン
ファゾム〜海に響く音〜
アラスカ州 フレデリック・サウンド
ミシェル・フルネ博士
“クジラと会話したい”
平たく言うと それが私の研究よ
海にスピーカーを入れ クジラに話しかける
応答してくれれば––
ザトウクジラとの会話に 成功した初の事例になるわ
ミシェルがクジラとの 交信を試みる一方––
別の科学者は地図を読む
時空を超えたつながりは どこまで続いているのか
スコットランド セント・ アンドリュ︱ス大学
エレン・ガ︱ランド博士
クジラの歌は 40年間 研究されてる
でも なぜ歌うのかは 分かってない
鳥や他のクジラも歌う
でもザトウクジラの歌は より精巧なの
リズム
息つぎ
韻や繰り返し
複数の句から成る旋律
歌の始まりと終わりは不鮮明
クジラの歌は 複雑な交信手段で––
人間には理解できない
私たちは別ね
養父がピアニストだった
ニューヨーク州イサカ コーネル大学
ピアノに座り 私に––
1音ずつ 目を閉じて 聴けと教えてくれた
音が消えるまで
体感として 音を理解させたかったのよ
船上でない方が簡単ね
タイマ︱をセットする
生物音響学 エンジニア作業室
この箱につながってる?
研究の基盤づくりに 10年かかって––
ようやくクジラに音源を 聴かせられるようになった
つながった
すごい
オッケー いい感じ
よかった
いざ
電源をオン
ええ
やった
安定させないと
クジラの歌だわ
これをクジラに聴かせたいの
調整が必要ね
ああ 音量を小さくしてみる
たぶん…
音源に音飛びがあるね
音は飛んでる
音源の問題よ
フィルターなしの 無編集のファイルなの
よくなった
何かが…
何かが違う
クジラをダマしてる
それは認めるわ
他のクジラがいるように 思わせようとしてるの
アイデアを 出し合ってたところだ
生物音響学 研究室
過去の実験では︱
ひどい音源もあった
なるほど
半分は本物のクジラの歌よ
ええ
ヘリウムを 吸ったような声もあった
編集版がこれね
応答は得られなかった
ノイズを…
ノイズを消した
これが波形よ
青が入力データで 赤が…
今 聴いてる音ね
信号に重きを置いてる?
周波数の分析に問題は?
鳴き声以外は全て除去できる
いいアイデアだわ
懸念事項はクジラの歌には 音調がないことね
振幅が変調する短音でできてる
こんな感じで…
音調がない
すごいわ
マネが上手ね
どのみち音源は クリアな方がいい
やってみよう
世界中のクジラの声を 聴いてみると––
大半が“歌”なの
順番違いの 繰り返しだったり––
1音ずつ発せられたりする
しずく
各音は短く 謎がとても多い
スワップ
うなり
だがクジラの歌で一番 重要な音は︱
テント
“ワップ”だ
クジラは皆 発してると 考えられてる
発せられる音は 数限りないというのに
なぜこの歌は独特なのか?
何が特別なのか?
謎を解く最善の方法は クジラに––
音を聴かせ 反応を見る
長期に渡る挑戦よ
挑み始めた時 私は25歳だった
博士号を取る時に 研究を始めたの
科学は完璧でないとならない
ザトウクジラは謎に満ちてる
彼らが いかに世界を認識し––
音を通して いかに互いを認識するのか
ミシェルはアラスカで––
クジラがワップで 互いに接触を図るのか調べる
母は海を愛した
海洋学者が夢だったけど 海に出ることは許されず––
地理学者になった
そして海への永遠の愛は––
私が受け継いだ
海の哺乳類 調査班
ええ それが重要よ
妙な点や異なる点を メモに残しておくの
細かな差異を意識してれば 自然と目がいくようになる
だから記録して
繁殖のための歌だと 言われてきた
いいパターンね
“バイオリン”と“吠え声”
これはワップ
3つの音の典型的な見本よ
太平洋での 長年の録音を聴くと––
数百キロ離れた場所で 同じ歌が歌われてた
大事なのは構造の分析よ
大きな威嚇音の後 低周波の音
それが繰り返されてる
構造を考えていくの
ただの求愛の歌とは思えない
歌に変化があると––
それにならい 他のクジラの歌も変わる
進化するのだ
歌は離れた集団へ伝わっていく
繰り返し歌われ––
クジラが集団で 歌ってるように聴こえる
これは文化的な現象よ
オーストラリアから––
まず1300キロ先の ニューカレドニアへ
約2ヵ月で歌を習得する
長くて複雑な歌を 短期間で学べるとは驚きだわ
歌は毎回 西から東へと広がり––
各群れを文化でつないでいく
同じ歌が発見されると 地図に書き込む
連鎖がどこまで––
伝わっているかを知るためよ
エレンは フランス領ポリネシアへ––
クジラが同じ歌を 歌っているのか調査に出る
エレンの夫 マット・リリー
十分?
ええ 中に詰めて
おいで ジン これは?
こっちへ
どうだい?
おっと
よさそうだ
実地調査はハードよ
大事な人と 離れなきゃならないもの
だけどさ…
だから時々 夫に同行してもらってる
夫が船酔いすると分かって やめたけどね
火を消して
分かってる!
窓を開けて
“料理中は 煙探知機を切るべし”
平気か?
ええ
どうも
途方に暮れるわ
任せろ
何?
任せろ 手伝うよ
そうね
乾いてる洗濯物を 取り込んでくれる?
もちろん
調査中は最小限の連絡しか 取れないのが––
すごくつらい
でも あなたの方が寂しいよね
私は仲間と一緒にいるもの
君は忙しいしね 調査中は休みなしだ
それでも興味と情熱を 持てるのは 天職だからさ
調査は大好きよ
すごく幸せになるし楽しい
だから辞めたいとは 思わないけど きつい
考え込まないのが一番だ
さてと
おいで
よし
アラスカ州 ホバート湾
実地調査の 最初の2週間は︱
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