The first 200 lines.
(奏(かなで))真樹(まさき)!
(真樹)ごめん!
殺したんだろ? 辻(つじ)英介(えいすけ)を
だから あの事故が…
俺はカオリを…
(奏)かつて
父が検事として関わった “環境エネルギー汚職事件”
(野木(のぎ))少々お粗末だね 検事としては
(奏)野木先生は元検事
父の同僚…?
(貴志(たかし))結婚してください
こちらこそ よろしくお願いします
(知美(ともみ))よく来れたね 真樹
俺 やっぱ帰るわ
(祐希(ゆうき))えっ?
(奏) ホントは何を知ってるの? 真樹
(真樹)俺も知りたいんだ
(奏)行ってはダメ
分かっているのに…
ごめん
忘れて
無理だよ
じゃあ…
忘れないで
(真樹)奏と会うと 感情が あふれてしまう
一体 何をしたくて帰ってきたのか
子供のころから そうだった
いつも居場所がなかった
人生 最初の記憶は 夏の終わり 3歳の自分
“ちょっと ここで待ってて”と 母は言った
そして そのまま いなくなった
気がつくと 1人 木の下にいて
死んだセミを見ていた
あの日からかもしれない
人を好きになるのが 怖くなったのは
母が いなくなってからも あの人は仕事が忙しく
一緒に過ごすことは ほとんどなかった
どうやら うちは横浜の名士と 言われる家だったみたいだ
どうでもいいけど
本当に どうでもいい
…と思ってた
(由美)真樹
(真樹)あの人は再婚し
新しい母親は 一生懸命 俺に取り入ろうとした
それが嫌で 反抗した
-(記者)じゃ目線 お願いしま~す -(カメラマン)はい いきま~す
(シャッター音)
(真樹)学校は あの人の出身校へ 無理やり入れられた
(教師)なぜ普通に 授業が受けられないんだ!
(真樹)だが教師に逆らい 年中 授業をサボった
悪いことも まあまあ
(仲間) ゲーセンとか行かない? ゲーセン
(少年時代の真樹) 話 聞いてる? ねえ どっか行こう
(真樹)でも…
(野木)息子の真樹が ご迷惑をおかけして
-(野木)申し訳ありませんでした -(校長)いえ
(真樹)何をやっても いつも あの人が事を丸く収めた
それで また反抗
子供だった
地方の大学に来たのは
ただ あの家から 逃げ出したかったから
なのに法学部を選んだ
(男子学生)テニスサークル いかがでしょうか 大歓迎ですよ~
(真樹)無言のプレッシャーの中
あの人の庇護(ひご)から抜け出せなかった
(男子学生)映画研究会です お願いしま~す
(女子学生)お願いしま~す
(真樹)大学に入ってすぐに 変なヤツが声をかけてきた
野木くんだよね?
うん
俺 梅田(うめだ)祐希! 出身 どこ?
-(真樹)横浜 -(祐希)わあっ!
俺 川崎(かわさき)!
やっぱ ここ 田舎じゃね?
都会の薫り 皆無! ハハハハッ
(真樹)無防備すぎて
最初は何か たくらんで いるんじゃないかと疑った
でも…
(真樹)カネねえ~ メシ食えねえ
-(真樹)メシ食えない -(祐希)え~っ 俺もこれが最後~
-(祐希)半分ずつにすっか -(真樹)うん
-(祐希)よし じゃあ… -(真樹)カレー カレー
チャーハン チャーハンだよ~ チャーハン
やっぱ こっちじゃね?
えっ?
(真樹)本物の お人よしだった
お願~い ねっ 頼む! 貸して ノート
やだよ だって出てたでしょ 授業
え~っ もうもうもう 俺じゃなくて ほら 真樹が
テヘッ
“テヘッ”じゃないのよ 自分で頼め しょーもな
(カオリ)ねえ トモ ごはん行こう
ついでに勉強 教えて
(知美)もう~! 試験前になると寄ってくる
-(カオリ)いいじゃん トモ -(真樹)トモ お願い
よし 決まり決まり決まり 行こう行こう
(祐希)ふざけんなって
(真樹)屈託のない女友達 トモ カオリ
そして奏と出会った
カ ン ニ ン グ
(落雷の音) (奏)わっ!
ワイパー 動いてないよ
死ぬ時は一緒
やだやだ ホントにやだ もう絶対 死にたくない
じゃ なんで ここ知ってるの?
(真樹)偶然
ライトまで消しちゃって…
奏…
好き
初めて 心から人を好きになった
離さない
(奏)私も
(真樹)奏の どこに惹(ひ)かれたのか よく分からない
(奏)愛されてると思ってた人に 消えられるって
きついよね
(真樹) でも自分と同じにおいがした
楽しかった日々
(一同のはしゃぎ声)
(一同の笑い声)
(真樹)だけど…
(クラクションとスキール音)
(真樹)俺が すべてを…
お前 いいかげんにしろよ!
-(カオリ)だって奏のパパは… -(真樹)言うな!
(真樹)台なしにした
(由美)パパ 理沙(りさ)も乗せてって
ああ いいよ
-(理沙)やった -(由美)早く
(真樹)妹の姿を見たのは 何年ぶりだろう
(由美)気をつけてね
(真樹)俺が いなければ 幸せそうな家族
いってらっしゃ~い
(真樹)でも その幸せの裏側に
犠牲になった人間が いることを
彼女たちは
知らない
(奏)真樹との恋は過去のことだ
(水の音) (奏)ハアッ…
(奏)…と自分に言い聞かせた
ハア…
私には ようやく 手に入れた幸せがある
でも それと カオリの事故のこととは…
(貴志)ごはん食べないの?
(奏)あっ うん 行く
ハア…
マンションを買う?
(貴志)結婚するとなると
ここじゃちょっと狭くない? 将来的にも
(奏)そう?
(貴志)調べたら この近くにも よさそうなとこあるし
えっ どうしたの?
いや 私がさ あの 地方赴任の時 どうするの?
これから先 また絶対にあるよ 転勤
その時は?
奏は どうしたい?
いや その時々に決めていけば いいんじゃないかな
そんなに難しく考えず
いや まあ それはそうだけど…
(小声で) でも私にとっては重大なことだけど
(貴志)あっ もう行かなきゃ
ごちそうさま
ありがとう
-(貴志)ねえ -(奏)ん?
検事を辞めて弁護士になるっていう そういう選択肢は ないの?
いや そうしたら ずっと一緒にいられるかな
もちろん 奏さえよければ
あっ… 行ってくる
(奏)いってらっしゃい
貴志は ずっと それを望んでいたんだと
初めて気づいた
(大畑(おおはた)) 検事を辞めようと思ったこと?
はい
ないけど 一度も
あっ そうですか 一度もですか?
(大畑)そう
だから周り中を敵に回した
同僚も 上司も
夫も
フンッ
ドクターの彼氏にでも言われたの? 検事 辞めろって
あっ いえ…
(大畑)みんな そこで迷うのよ
検事に転勤は付き物
結婚 出産 子育て
単身赴任してでも 検事を続けるべきか
検事を辞めて弁護士になるか
いっそのこと仕事やめるか
でもね まあ 私に言わせれば
一人前の検事にもなってない人間に 悩む権利なんて ない
悩むぐらいなら いっそ スパッと やめちゃいなさい
その程度の覚悟なら
そのほうが幸せになれるかもよ
まあ 何をもって幸せかなんて
本人にしか分からないことだけど
(奏)確かに私は まだ半人前の検事かもしれない
悩む権利もない程度の
でも やはり この仕事を辞めたくはない
それに私には まだ やらなければならないことがある
この事故は何か事件性がある ということですか?
俺がカオリを…
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