The first 200 lines.
本作は実話に基づく物語である
僕とスティーブンが 卒業した1973年––
南アフリカは激動していた
警察が 黒人の子供を撃つ一方で
白人は専用ビーチで 酒を飲んでいた
アパルトヘイトは 人々を肌の色で分離したのだ
その現実とは 実に残酷なものだった
恥を知れ 神に問うてみろ!
非道がまかり通る世界
僕らはウソと無関心の 世界を拒み––
南アフリカの 民主化のために戦った
人種差別を根絶するために
だが白人である僕らが 声高に叫んでも
その声は無意味に響いた
だから過激な行動を選んだ
それは 爆 ・ 発 ・ 的 ・ な手段だった
マズい
僕らは アフリカ民族会議 ANC に加わった
これは一体 何かしら?
黒人やアジア人などと 反アパルトヘイト運動を展開
“自由と平等のために全人種が 戦うべき”と情報を発信した
行くぞ
見るんじゃ?
そんな時間はない
捕まるぞ
お前たち 動くな!
その行動の代償は甚大だった
お金を渡すけど––
バレたら刑期が延びるから 注意を
上訴はなしよ
ファシストの同情なんて 不要さ
靴を
希望を捨てないで
もちろん
行け 愛してる
よし
起立
南アフリカ共和国 対
1978年6月 ケ︱プタウン
ティム・ジェンキンと スティ︱ブン・リ︱
本件において検察当局は 見事な仕事をした
26の爆発物と17の装置が 証拠として提出されており
決して見過ごせない
だが何よりも有害なのは ANCのイデオロギーである
“全人種が平等”という 思想こそが––
本件の最大の争点だ
資料を見る限り––
被告人の父親は 著名な薬理学者だ
もう一方の父親は 人文学の学者である
この国が君らを––
生み育てたのだ
必要なものは すべて得たはず
恩知らずにもほどがある
君らが払うべき代償を これから伝えるとしよう
まずは––
爆弾の製造を主に担当した ティム・ジェンキンから
君には 12年間の懲役刑を命ずる
次に従犯者の スティーブン・リー
君には 8年間の懲役刑を命ずる
プレトリア刑務所の 政治犯収容所で刑を執行する
判決は以上だ
起立
撃つな!
話せば分かる 説明させて…
無駄口をたたくなよ
〈よお〉
〈やあ〉
“プレトリア刑務所”
チラシ爆弾犯のご登場だ
しかも窓から 逃げようとしたとか?
おい!
お前たちは 国と白人を裏切った
お前が例の––
“白人のマンデラ”だな?
ヴァンダー・マーヴェ
読むんだ
ペン ラジオ 新聞 政治的会話を禁止する
小包は15×10センチ以下で
面会は月に1度 相手には要審査
敷地内における 性的行動は一切禁ずる
線の所に立て
進め
扉を開くんだ
歩け
線まで進め
歩け
早く!
早く歩け
入れ
39378番
入れ
向き直れ
下がれ
よく聞け
消灯は11時で起床は5時だ
朝食は7時半から
房内は清潔に保て
それを守れば平和に暮らせる
では––
口を開くなよ!
1日目
扉から離れろ
こんなに よく寝たのは 数年ぶりだ
進め!
バカだな
ほら 早く歩け
さっさと進むんだ
静かにしろ
うるさいぞ
そのまま行け
さあ
座れ
座らんか
助かった
あっちはよせ
青のシャツの者たちには 近づくな
人殺しと同席したい?
いや ここでいい
キットソン
うるさいぞ 黙れ
ここ いいかい?
ああ 座れ
君らのことは聞いてる
そちらのことも
ええ 光栄です
何年 食らった?
俺は8年で 彼は12年だが––
刑期を全うする気はない
怒りは抑えろ
外の世界を 思い出してしまうぞ
止まるな 進め!
落ち着くんだ
まったく情けない
彼のことは “ 間に合わせ ポットラック ”と呼ぼう
こぼす度に1発だ
よお ポットラック
クソどもめ
早く運べ
いい子だ
歩いて見せろよ
苦しそうだな
体内に何か?
ビール瓶か何かを 入れてるんだろ?
葉巻の筒に360ランドを
高価な葉巻だな
私がガイドしてやる
あの壁の高さは6メートル
有刺鉄線も設置されている
夜の間はライトが灯り 死角は一切ない
見張りもいる
我々を撃ちたくて ウズウズしてる連中だ
トンネルは どの方向に 掘っても刑務所の敷地内だ
公道に面するのは あの壁だけ
ある男が––
カネを取り出せず 感染症になったことがあった
すぐ脱獄できるなどと 思うのは間違いだ
我々は“良心の囚人”だ
犯罪者とは違う
僕らは戦争捕虜です
同じことだ
安全な場所に隠してやる
早くカネを取り出せ
うまいぞ 悪くない
次は俺に投げろ
彼は計画に すぐケチをつける
彼とは話すな
過去にも計画が?
もちろん
いろいろあったが 成功者はいない
何事にも最初はある
そのとおり
果たすべき務めがある “良心の囚人”などゴメンだ
君らの計画に参加させろ
壁はコンクリートだ
抜け出すなら鉄格子を狙え
監房に戻れ
我々 政治犯の長老は––
デニス・ ゴールドバーグだった
政府転覆を企てたとして 終身刑4回の判決を受けた
マンデラやシスルと 活動した人物
つまり権力者だ
23日目
僕は毎晩 ベッドから 鍵穴を見つめていた
頭の中で100の案を練り––
また別の100案を 考える日々だ
鍵穴は決して その場を動かず––
毎晩 僕を睨み返していた
そして僕は すべてを 知る必要はないと悟った
知識は量より質だ
黙らんか!
まず知ってることを 応用することだ
計画を思いついた
穴を掘るのはなしだ
違うよ 鍵を作る
何だと?
まずは聞け
鍵穴の寸法を鉛筆と紙で…
鉛筆と紙で鍵を作る?
いや 木を使う
すぐに折れるだろ
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