The first 200 lines.
評決が出ましたら・
このインターホンで伝えてください。 じゃあ。
・~
喫茶の出前 取ります。 飲み物だけだそうです。
順番にどうぞ。
出前ですか。
ホットコーヒーの人。
はい。 ホット2つ。
すいません。 私も ホットお願いします。
3つ。 メニュー 見てもいいですか?
アイスコーヒーの人。 はい。 あっ・
ガムシロ 抜いてください。 バナナジュース。
駄目だったら? ええ… アイスミルク。 ガムシロ抜きで。
ガムシロ抜きって 書いといた方がいいですよ。 はい。
あの~ コーラを。 ガムシロ抜きって書いといて…。
バナナジュース。 レモンスカッシュ。 レスカ ワン。
あの レモンスカッシュ ないですね。
すいません。 あの できましたら 私 ビールなんか 1つ もらえますか?
アルコール類 やめときません? あっ やっぱり。
じゃあ ソーダ水 とびきり グリーンなやつ お願いします。
メロンソーダ。 すいません。 はい。
私も ホットコーヒーやめて ソーダ水にしてください。
ホットやめて ソーダ水 ほかに…。
バナナジュース。 オレンジスカッシュ。 オレスカ。
あっ オレンジスカッシュも ないですね。
オレンジジュースなら ありますけど。 いらないです。 はい。
すいません バナナジュース。 バナナジュース。
はい。 今 いくつになります?
えっと ホット2つに アイス1つに コーラ1つに・
ソーダ2つに バナナジュース4つです。
バナナジュース1つ。 バナナジュース追加。
はい。 じゃなくて… 1つ オンリーワン。
えっ? いや 聞こえてないと思ったもんで。・
参ったな。 紛らわしいですね。 え~・
ほかの方は… お客さん。 今 お客さんって言いました。
そこの壁見てる方。 もしもし。
オーダー お願いします。 喫茶の出前。
ああ すいません。 何にしますか?
ヤクルト お願いします。 え~ あるかな?
あった。 すいません。 私 やっぱりヤクルトに。
え~っと…。 ソーダ キャンセル。
ソーダ1つキャンセルして ヤクルト2つ。 ぐちゃぐちゃになりましたね。
ああ 書きましょう。 あっ すいません。 え~ これが1つで…。
ヤクルト3つです。 2つ。 私の分。
あっ ハハハ。 ほかに ないですか?
あなた 言いました? あっ…。
ホットコーヒーでいいです。 あっ 以上です。
じゃあ これ さっきの人に…。 持っていきます。
ああ いいです いいです。 私 行きます。 すいません。
それじゃ 皆さん。 席にお着きください。
始めたいと思います。 席順は どういうふうに?
いいんじゃないですか これ 好きな所で。
いや あの せっかく 陪審員番号があるんですから。
番号順? はい 数の若い順に こっちから ぐるっと。
さすが 陪審員長 言うこと違うわ。 やめてくださいよ。
ここ 1番です。
2 3 4と… お願いします。
1周しちゃったな これ… ハハ。
今度の裁判のこと 載ってます? いや。
「東京スポーツ」 愛読してるんですか? これ。
これしか 許可してもらえなかったんですよ。
一般紙は 事件の関連記事が 載ってるかもしれん・
ということでしょう。 先入観を排除するためなんですよ。
そんなに話題になってるんですか? この事件。 まさか。
そんなに大騒ぎするような 事件じゃない。
でも あれでしたでしょう。 被告は いい女だった。 見てますねえ。
いやいやいや…。 化粧っ気はないけどね・
肌が艶々で たまらんかったでしょう。 でも ああいう顔って・
化粧すると かえって ケバくなるんですよねえ。
これ よかったら 皆さんで食べてください。
甘栗太郎! 来る時 売ってたもんで。
いいんですか? どうぞ どうぞ。 じゃあ。
食べながらの方が 話も弾むと思って。
それじゃ 皆さん。 そっちにも回してください。
すいません… 頂きま~す ウフッ。
ちょっと。 やめませんか テーブル散らかすのは。
団らんの場じゃないんだから。
あっ そうですね それじゃあ 真ん中 置いときましょう。
ねっ 欲しい人が手を伸ばすと。 はい。
では…。
あの。 始まりますよ。
すいません。
というわけで え~ これから 話し合いを始めるわけですが・
あまり 堅苦しくなるのも あれなんで・
僕としては 明るく楽しくできれば いいなと思ってますけど。
楽しい必要はないでしょう。
大丈夫ですか? すいません。
隣のご婦人が つらそうですよ。
僕? 大丈夫です。
ここ禁煙? 灰皿ありますよ。 だけど。
ああ これね 換気で 煙全部 そっち行っちゃうんだよなあ。
すいません…。 あの 席 替わりましょうか?
いえ ほんとに…。 どうぞ。 そうしてもらった方が・
いいですよ。 あ… すみません。 どうぞ。
禁煙じゃないんでしょう?
陪審員長。 では 皆さん これを開いてください。
これです。
「陪審員ハンドブック」。 3ページです。
一応 決まりらしいんで読み上げます。 「陪審」…。
3ページですよ。 はい。
「陪審員の心得 陪審員の皆さんが・
正義のために 一つの場所に集まったのは 運命的なことです。・
何世紀にもわたって 陪審制度は世界の」…。
ちょっと これ 全部読まなくたって いいんじゃないですか?
決まりなんですよ。 みんな 読んできてんだから。
はしょっちゃおう はしょっちゃおう ねっ。
しまってください。
え~ 会議の進め方は2つあります。
まず 決をとって それから話し合うか 話し合ってから決をとるか。
先に 決 とった方が 分かりやすいと思いますよ。
では 決が先か 話し合いが先かで 決をとりたいと思います。
その前に まず 決をとるかどうかで 決をとるのが先かな。
決をとるのに賛成の人。 ちょっと。
はい。 そんなに いちいち 決 とる必要ないよ。
しかし 多数決は民主主義の基本です。
決 とるかどうかで 決なんかとってたら まあ 何時間かかるか。
どんどん進めちゃって いいんじゃないですか?
分かりました。 それじゃあ とりあえず・
被告は 有罪か無罪か これで 決 とりましょう。
異議ありませんね。 ありません。
一応 断っておきますが 有罪 無罪 いずれにしても・
ここにいる12人全員の合意がなければ 評決としては成立しませんので・
よろしくお願いします。
では 無罪だと思う人。
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11…。
無罪12。 決まった。
何か あっけなかったですね。
いいのかな? いや いいんじゃないですか?
あっ 長く話し合うだけが 会議じゃないしね。
決まりでしょう。 では 全員一致で・
無罪と決定いたしました。
飲みに行きませんか? 行きたいけど 会社戻んないと。
大変ですね 勤め人は…。 お茶でも いかがですかね?
ああ いいですねえ。 だけど・
本音言うと 彼女 殺してるんですよねえ。 当然でしょう。
あの 皆さん ちょっと待っていただけますか?
陪審員長 これで おしまいなんですか? はい。
いいんですか? こんなんで。 いいじゃないですか。
もう決まっちゃったんだから 帰りましょう。
出前 どうなるんです? それが ありましたね。
陪審員長 皆さんを もう一度 集めてください。
僕 話し合いがしたいんです。 いや 今更 そんなこと…。
呼んできましょう。 あっ。
すいません。 ちょっと待ってください。
まだ 何か お話があるそうです。
あ? 何かって?
何だか よく分からないんですけど。
終わったんでしょう もう。
何か? こちらの方が。 は?
皆さん 本当は 彼女は無罪だと・
思ってらっしゃらないんじゃ ないんですか?
どういう意味ですか? あの裁判を見て・
本当に 彼女は無罪だと…。 あなた 自分で無罪に挙げたでしょう!
確かに 僕は 無罪だと思いました。
だったら いいじゃないですか。 でも…。
君が 無罪だと思うんなら 無罪でいいんだよ。
誰が見たって明白な事件もある。
無罪ならいいなと思ったんです。 同じことですよ。
分かりました。 え… 僕は 有罪に1票入れます。
有罪です。 おいおい 君・
そんな無理やり 話を面白くして どうするんだ!
話し合いたいんです 僕は。 帰りたいんだ 私は!
納得してから 無罪に手を挙げたいんです。
とりあえず 席に お着きください。 陪審員長。
いや とりあえずですから。 だって 一回 全員一致で…。
お願いしますよ。 まあ いいじゃないですか。
ほら 飲み物も来てないことだし。 とりあえず 話だけ聞きましょうよ。
皆さん お願いします。 お願いします。
何だよ。
どうしたんですか?
ちょっと すいません。
参った。
・(守衛) 皆さんの意見をよく聞いて。・
早ければいいってもんじゃ ないですからね。
・はい。
失礼しました。 それじゃ…。
陪審員長。 どうぞ。
あっ すいません。
無罪の皆さんに 根拠を伺ってほしいんです。
いや あなたが 1人で反対してんだから・
あなたの意見を聞くのが 先決じゃないですか?
どっちを先に聞くか 決 とりますか? 有罪に変えた理由を。
あっ!
失礼 電話を。 ちょっ…。
あっ どうぞ 先 続けてください。
あの 私 発言させてもらっても よろしいでしょうか?
どうぞ。 あっ どうも 狩田といいます。
あなた。 はい。 ええ。
被告は21歳でしたよね? そうです。 ええ。
21といえば 青春真っ盛りですよ。
青春真っ盛り 懐かしい言葉じゃないですか。
ちょっと いいですか? あっ 失礼 ハハ。
しかし 彼女は その年で離婚歴があり・
5歳になる坊やを 1人で育てているんですよ。
昼は スーパーのレジ。 夜は クラブのホステス。
涙ぐましいほどの努力だ。 知ってます。 ええ。
人生の初っぱなで つまずいてしまったんですよ 彼女は。
そんな彼女を有罪にして あなた かわいそうだと思いませんか?
ちょっと待ってください。 心が痛みませんか? ねえ。
かわいそうだとは思いますが。 だったら 何で有罪にするんですか?
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