The first 200 lines.
僕の父は移民労働者
4年ごとに新しい雇い主と契約し
そのたびに引っ越し
僕はそれが嫌だった
知らない街に着くたび
反抗して部屋に閉じこもった
唯一の友達は
粘土とノリとハサミと鉛筆
将来 何したい?
手仕事 美術学校に行く
芸術では食えん
郵便局に勤めて 絵は日曜日に
手ではなく頭を使って働くんだ
子供の頃 父の手に見とれた
チーズを使って
魔法のように鳥や蝶を生み出す
手に魔法の力を感じながら
遠い昔の
物語を語ろう
昔々イタリアの
ウゲッテーラ村では
村人全員が同じ姓
僕らと同じウゲットだ
始まりはヴィーゾ山のふもと
祖父母はこんな農家に住んでいた
今では屋根が崩れ落ちている
炭焼き場が森になった
何が起こったのか?
祖父ルイジを直接は知らない
懐かしい祖母チェジーラ
黒い服の 僕のおばあちゃん
初めて知った
おばあちゃんになる前─
チェジーラは
若くて美しく
愛されていたのだ
きれいなスカーフ
村では
女たちはエプロンと スカートで働いた
村に行ったの?
残ってたものは
全部 持ってきた
土地が欲しかった?
土地さえあれば
生きていける
土地を買うため
大変な苦労をしたわ
ウゲッテーラは土地が少ない
急勾配の畑が少しだけ
ルイジはどんな人?
ルイジ?
ハンサムだった
頑丈で
強くて
力強い手
貧乏人は小ざっぱりして
欲を出 欲を出さず
慎ましく 満足していた
〈アニトニオ〉
〈起きろ〉
〈ジュゼッペ〉
ルイジは11人兄弟の2番目
〈パパ起きて〉
〈ママも〉
子供が11人?
家じゅう 子供だらけ
〈この土地なら食える〉
ヒナ鳥の肉を狙って木に登るから
子供らの足は傷だらけ
大切な人のために
コーヒーを
濃いな
ルイジと同じ手
〈信じられない〉
〈すごいな〉
何を食べてた?
手に入るものを
食べるのよ
とうもろこし粉が─
足りないポレンタは
水っぽいだけ
みんな昔の話
なぜ知りたいの?
父さんと村を訪ね
昔の話を聞きたかった
何でもお聞き
子供たちは学校に?
学校より畑仕事と季節労働が先
〈掃除してる〉
〈静かにしろ〉
ルイジは学校に?
〈アントニオ バカだな〉
時々行った
少しは書類が書けたのよ
勉強が大好きでね
フランス語を教えたのは私
家を建ててる?
〈大きな立派な家を建てるぞ〉
〈もちろん〉
家族全員で ひと部屋
一年中 納屋で寝た
〈人は馬小屋で生まれ 暮らし 死んでいく〉
役場や司祭の助けは?
司祭だって?
司祭の機嫌を取ろうと 皆が作物を届ける
飢え死にする司祭はいない
クランクを回して
田舎の村を支配するのは司祭だよ
不信心者には 祝福を与えないと言い
夫を亡くした女がいれば 魔女だと言う
皆はそれを信じる
魔女が怖いんだ
村人は哀れな老女をのけ者に
悲惨なものだった
全ての不幸は魔女のせい
凶作も はやり病も
子供が死んだのも何もかも
司祭はうわさ話を広め 迷信をあおり立てた
〈何を見つけたの?〉
〈見ろ〉
〈マンドリンだ〉
〈踊って 踊ってよ〉
〈こっちに来て〉
〈踊って〉
〈ほら 踊りなさい〉
- 〈本物だ〉 - 〈違う〉
〈太ってる〉
〈乳は出さない〉
〈どこで見つけた?〉
〈箱の中〉
〈ミルクを出して〉
〈これはオモチャだ〉
〈主は汝らと共に〉
〈そして聖霊と共に〉
〈冬は越せない〉
〈食べ物は栗しかない〉
〈雪で埋まる前に発つんだ〉
〈支度しろ〉
十分な食料がない そして冬が来る
ジャガイモを送ろう
1個だけ
ほら
- もう1個 - ダメよ
もう腹がふくれてる
ある時 若い男が
茹でたジャガイモを
腹に詰め込んだ
〈幻覚だ〉
胃がふくれてる
"気をつけろ 死ぬぞ"
ジャガイモを食べすぎて男は死んだ
みんな胃袋が弱かった
村には仕事がない
毎冬 村人の半分は フランスへ出稼ぎに
煙突掃除 くず屋 はしけの船頭 靴直し
一番つらい仕事をする
フランスの新聞の記事だよ
"イタリア人労働者は 順応性がある"
"言うとおりに働く"
"彼らに自尊心はない"
"何事にも耐える"
"ベルが鳴ったら働けと言えば それに従う"
〈きれいな夜だな〉
〈腹が減った〉
仕事が欲しいか?
はい
夜更かしは?
いいえ
タバコは?
いいえ
身分証は?
はい
ショベルは?
はい
明日の朝 早く来い
小さい子供たちは?
バルスロンネットに行く
毎週開く子供市場に
10歳ぐらいの子供が 何百人も集まるけど
すぐ雇われて朝10時には
誰もいない
ひどい話だ
そうね
でも そんな時代よ
皆がそうした
〈これでも食らえ〉
〈アントニオ やめろ〉
〈それじゃ〉
〈頼んだぞ〉
〈じゃあな〉
〈ルイジ 元気で〉
〈元気にしてろよ〉
皆はどこへ?
仕事のある所ならどこへでも
アルプスを越えて行った
山の腹にトンネルを掘りに
ルイジもね
箱を見てごらん
あった?
ルイジがいる
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