The first 200 lines.
父さんは過去を話さない
ある出来事を除いて
いつも通り 家に帰る道の途中で
ヒッチハイカーを乗せた
どうぞ
父さんは
他人をよく乗せた
この男は他と違った
彼は“77番出口で降ろせ”と
どこにも繋がらない道だ
別れる前に男は警告した
“黒旗”に気を付けろ
仲間しか信用していない
“早く避難しろ”と言った
“避難場所を見つけ―”
“避難場所を見つけ―”
〝工業地帯まで2キロ〞
〝工業地帯まで2キロ〞
“ひっそりと身を潜めて 生活しろ”と
俺たちは従った
父さんは彼を予言者(シーア)と呼んだ
彼の予言通りになった
しばらくして
黒旗と準軍事組織は 主権を巡り戦いを始めた
目の前にある物は全て焼かれ 町は荒廃した
外での戦いから逃れても
人々は飢えや寒さで 亡くなった
死者には共通点がある
彼らは恐怖で死んだ
寒さと飢えと恐怖
状況はさらに悪化していった
民兵組織は 水源の汚染に成功した
水一滴でも 体の組織が壊れてしまう
大混乱はここから始まった
町は跡形もなく消え去り
信仰心にあふれた地は すっかり荒れ果てた
生き延びた人間も 何も持ってなかった
唯一 持っていたのは
信じる心だけ
忘れろ
聞いてたか?
ああ
だから“忘れろ”と
父さんは認めない
納得できない
男同士 自分で話してみる
ムリだと?
チェックメイト
気にしない
もう一度
父さん
父さん
あなた方に平安あれ
誰か来た
人数は?
1人は見た
上に戻れ 俺の援護を頼む
シュワイブ
今はやめてくれ
一緒に行くわ
ダメだ
父さん
マリアム
子ども扱いしないで 私も手伝うわ
お前よりできる奴は ここにいない
だからこそ 中にいろ
ノック2つは問題なし
3つは問題あり
病気だ
汚染水だな
助けて
気が進まない
こっちへ来い
来い
待て… 罠(わな)だ
娘と同じ年頃だ
開けるな
お願い 助けて
殺して
助けないと
持ってろ
何してる?
心配するな 援護してろ
シュワイブ
俺が戻ったら すぐ門を閉めろ
待て
湧き水のそばに 女が5人
そのうち1人が 俺を愛した
湧き水のそばに 女が5人
3人去って 残りは2人
俺だったら―
出てこなかった
下ろせ
その子を離せ
銃を下ろせ
離せ
聞こえないのか
銃を捨てろ
手放さない
名前は?
関係ない
仲間は?
うるさい
アブ・イーサだ
俺は―
放浪者なんだ
なぜ ここに来た?
水だよ 水が欲しい
4リットルやるから女を離せ
なんてて気前がいいんだ
こんなにあるのに たった4リットル?
足りないな
俺だけのものじゃない
もし女の他に オマケを渡したら?
なんだ?
好きなだけ弾丸をやる
9ミリか?
いいや
22口径だ
762口径は?
それは持ってないが…
落ち着け これをお前にやる
待て
使えるぞ
引き金を引く手間が省ける
釘があればいい
破壊できるぞ
必要ない
いいか 水を12リットルやる
女を渡せ そして もう二度とここに来るな
許可はいらない
俺たちの問題だ
そうさ
俺たちのな
おい 戻れ!
狙いが定まらない
撃て
トラックの上だ
シュワイブ
ハレド
ガバ
父さん どいて
武器を下ろさなきゃ…
ケガは?
撃つな
通りかかったんだ
音が聞こえて 君たちを助けた
なぜ ここに?
避難所を探してた
どこも盗賊ばかりだ
味方を探してたんだ
1人か?
グルビン
他には?
いいや
ナイフを取っても?
俺を狙った男だぞ
彼女はクルド人だ アラビア語が話せない
会話もひと苦労だよ
父さん
心配ない
ケガは?
俺の恩人を殺すとこだった
てっきり…
分かっている
気にするな
俺はシュワイブ
カイスだ
ムーサだ
あんたが父さんを?
ありがとう
中に入れ
傷の手当てだけでも
息子はサッカー部の 主将だった
2年間 得点王だった
すごいな
残念だったな
仕方ない
明日 あの娘を埋める
俺の血ではない
ムーサ 娘のマリアムだ
やあ
ダウード
絵描きだ
正確には アニメーション作家だけど
絵描きだ
ザイナブ ビラル 客だぞ
ムーサです こっちはグルビン
どうも
ようこそ
広いからゆっくりして
この場所は?
飛行機を作る工場だった
ずっとここに?
318日前からだ
問題ないかな?
何がだ?
ムーサだよ
住まわそう
彼だけを?
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