The first 200 lines.
サリー?
サリー!
すまない サリーに似ていたもので…
ほんと?
実は7年ぶりで 故郷へ帰ってきた
ある女性を思って―
上陸したら すぐ会えると…
とても お熱いのね
怒っていないだろうね
別に…
迷惑をかけて悪かったよ
いいの
雨はやんだようね
晴れたな
バイクで海へ泳ぎに行くのよ
急ごう
裏から そっと…
早く行こう
独りでぼんやり何してるの?
別に 何も…
あなた ヨハンネスじゃない?
そうです
私はソフィーよ 忘れた?
そうだった 懐かしいな ソフィー!
気が付かなかった
私は すぐ分かったよ
後ろ姿で?
家へおいでよ セルマと2人きりなんだから
お邪魔じゃない?
私は夜は暇だし―
セルマもリューマチで 外出しないの
あんな若い女性がね
もう春だから 出かけなさいと言っているのに
立派な大人になって…
その制服姿 ハンサムね
日焼けして健康そうだし…
ほんとにいい男
変わってないな
あなたもね
僕の背中 真っ直ぐかい?
ピンとしてるわ
いいわよ すらりとして
7年前にも僕は背中が 少し曲がっていた
全然 わからないよ
そんなの気のせいよ
君の言うとおりだ
ねえ コーヒーは?
そうだった 今いれるから
クッキーも沢山 買ったの
隣の部屋は?
女の人が仮住まいしてるの 今 眠ってるわ
騒ぐとまずいね
かまわないわ
もう長い間 病気なの
どこが悪い?
自分で病気だと言ってるけど 見た目は元気よ
人生の楽しみ方を知らないの
これ分かる?
いや 見せろよ
僕が7つか8つの時のだ とっておいた?
そうよ 読んであげる
"セルマは背が高くて大きい"
"一日中 走り回って 牛や豚の世話をしている"
"一緒に暮らしてる ソフィーは―"
"僕にとっては ママのようだ"
うるさいわ!
眠れやしない
コーヒーは?
要らないわ!
ご勝手に
意地悪ね ソフィー
私は病気よ
コーヒーを…
欲しくないのよ!
話しかけないで じきに眠るから
今夜は機嫌 悪いのよ
彼女は?
知ってるわ
彼はもう気づいたわ
知ってる
悲しまないで
平気だよ
これが人生よ 栄える者あれば落ちる者あり
そうでしょ?
サリーは救いようがないわ 優柔不断なの
とても愛した
知ってるわ
彼女 もっと金持ちと 結婚したくて―
あなたを振ったのよ
でも彼女を忘れられない
部屋へ話しに行く
僕をセンチだと思うかい?
でも7年間毎日サリーを―
思い続けた
はじめは気づかなかった―
あなただと
あの二人に 私がここだと 聞いたのね
ようこそ
元気そうね
ひどい雷雨だったわ
でも空気が澄んだようね
まだ暖かいから
散歩にでも行くわ
久しぶりね
7、8年ぶりね
君は元気だった?
あなた 変わってない
じつは―
あなたの父上が 去年 亡くなったの
ほんとよ 肺炎でね
母は?
消息は知らないわ
会いに行く?
明日 出港だから時間がない
明日?
そうだ
君はどうしてる?
わたし?
今 調子が悪いの
でも じきに上向くわ
先は明るいと思うの
気の毒に
同情は結構 ここから出てって!
もう帰るの?
あのあばずれは 死んだほうがよかったのよ
そんなこと言わないで
もう少し ここにいて コーヒーでも…
いや 結構 後は散歩でもする
いつか また会おう
すべてが始まったのは 7、8年前のあの日だ
父母と僕はサルベージの仕事で 暮らしていた
その夏 いやなウワサを 聞いたのだ
父がひどく腐った男だという 評判である
それを聞いて 僕は逃げたくなった
すべての苦しみから 解放されたかった
あの船がまた傾いてるぞ
ブロム船長のせいさ
引き揚げに3日もかけたのに
ブロム船長が 街で飲んだくれてるからだ
昔と人が変わった
何してる?
考えてる
誰に手紙を?
酒類専売公社だ
酒の販売許可を取り消されたが 訳を知りたい
そうか
ブロムのクソ野郎!
文句ばかり言うな!
明朝には俺は辞める!
口先だけだ
公社は儲けすぎてるよ
マージンはいくらか 知りたいもんだ
このままじゃ メシの食い上げだ
サルベージ業もダメだ
ヨハンネスに話したら?
あの男 口を開くと 背中が曲がってると言う
とにかく話そう
ヨハンネス
どうしたの?
別に…
いじめられた?
なぜ?
もうすぐ出発だわ
数週間後に パスポートも来るし…
出掛けない
いいえ 旅に出なくちゃ
親父が許してくれない
私が力になるわ
当然のことよ
でも親父が…
許して下さるわよ
ひどいワンマン親父だぜ
でも私と結婚して もう25年よ
母さんや僕のことを 少しも気にしてない
横暴な親父さ
評判も最低だ
何の用?
ヨハンネス 聞きたいんだ
いつまで 親父さんの帰りを待つ?
このサルベージの仕事を 中断したままじゃ―
俺たち 収入もないし
家族も養えず お手上げなんだ
船長を待たず 俺たちで すぐに仕事を始めたい
あんたがボスの 代わりになって―
責任を取ってくれ
親父が許さないな
俺たちが協力すれば大丈夫だ
鍵がない
鍵を壊して道具を出せる
やろう!
ヨハンネス 気は確か?
決心したんだ
これで親父も反省するさ
親父ぬきでも 仕事はできるんだ
分ってる 金は払うよ
じゃ 後1クラウンだ
うるさい 黙ってな
おまえは黙ってろ 俺はアレキサンダー・ブロムだ
昔からの偉大な教え "人生の喜び"とは?
"受けることより 与えるほうが幸せ"
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