The first 200 lines.
(雨音)
(医療機器のビープ音)
(森嶋もりしま帆高ほだかの声)これは僕と彼女だけが知っている––
世界の秘密についての物語だ
(風の音)
ああ…
ん?
(帆高の声)それはまるで光の水たまりのようで
気づけば 彼女は病院から駆け出していた
(踏切の警報機の音)
あっ…
(鳥のさえずり)
(帆高の声)思わず強く願いながら
彼女は鳥居をくぐった
(突風の音)
ハッ…
あっ ああっ…
魚…
あっ
うわぁ
(鳴き声のような音)
(帆高の声)あの景色
あの日 見たことは全部 夢だったんじゃないかと
今では思う
でも夢じゃないんだ
あの夏の日あの空の上で僕たちは
世界の形を変えてしまったんだ
(汽笛の音)
(船内放送のチャイムの音)
(船内放送)まもなく非常に激しい雨が予想されます
(客たち)また雨だって
ようやく晴れたのになあ
島でも ずっと台風だったし
まあまあ
すみません すみません
お昼にしない?
(船内放送)…安全のため船内にお戻り下さい
(森嶋帆高)うわっ
あっ ああっ!
あっ…
来た!
すっげえ
(帆高の笑い声)
(帆高)ヤッホーイ
(汽笛の音)
(鳴き声のような音)
うわっ
ハッ
(帆高)あ… ありがとうございます
(須賀すが圭介けいすけ)フフ…すげえ雨だったな
(かもめの鳴き声)
(須賀)いやあ なかなかうまいよ これ
少年 マジでいらないの?
はい お腹すいてませんから
ああ そう 何か悪いねごちそうになっちゃって
いえ そんなこちらこそ助けて頂いて
ホント さっきは危なかったね
あっ… ああそうか
えっ?
俺 誰かの命の恩人になったのって初めて
ああ… はい
そういえば ここビールもあったっけ?
(帆高)ハハ…買ってきましょうか?
高っけー!
(帆高)大人に たかられるなんて…
東京って怖え…
(帆高)あっ
また雨だ
(須賀)少年さ東京に何しに来たの?
ええと 親戚の家に遊びに…
あっ うちの学校早めの夏休みで
ふふーん
まあ 困ったらいつでも連絡してよ
じゃあな 少年
(帆高)しねえよ
(トラックの宣伝)バーニラ バニラ バーニラ求人
バーニラ バニラでアルバイト
(店の宣伝)マンボーマンボー100円マンボー
ああ?
シャワー20分 280円
(帆高)はい
ああ 何か またいきなり すげえ雨で…
ちったあ 学べよ掃除が面倒なんだよ
すみません
(テレビの音声)局地的大雨の発生数は
観測史上 最多だった昨年を既に…
(帆高)うーん…
ん?
アハハ やった
うーん…
(通知音)おっ
(帆高)マジか!
ああ? 君 本当に大学生?
- 身分証は?- ないの?
雇えるわけねえだろ
てめえ仕事 ナメてんのか!
突然の大雨の可能性が…
ああ?
(帆高)ハァ…
東京って怖え
そろそろ節約しなきゃな…
(駅員)ここに座り込まないで下さい(帆高)すみません
- 居酒屋1800円- ご主人さま
ねえねえねえ お兄ちゃんねえ ちょっと待ってよ
(街頭放送)客引きの言葉は全部ウソです
客引きに路上で渡したお金は絶対に戻ってきません
(警察官A)君 ちょっといい?
(警察官A)こんな時間にどうしたの?(警察官B)高校生?
ちょっと 待ちなさい
(通行人)ふざけんな
(空き缶が転がる音)
ああ…
東京って怖えな
ニャー
(帆高)でもさ
俺 帰りたくないんだ
絶対
- やだ 何この子?- 寝てんじゃない?
こんなとこで?
(木村きむら)君さ ウチに何か用?
すみません
ああっ
ちょっと 大丈夫?
(木村)いいから いいから
(通行人 男)邪魔くせえな(帆高)すみません
(通行人 女)ヤダ
ああ…
あっ
えっ?
オモチャだよな
(お腹が鳴る音)
(水滴の音)
ああ…
あの これ
(天野あまの陽菜ひな)あげる 内緒ね
えっ? でもなんで?
君 3日連続でそれが夕食じゃん
フフッ
ハァ…
(帆高の声)僕の16年の人生で
あれが
一番 おいしい夕食だったと思う
(アヤネ)ねえねえ次 いつ会えるかな?
(凪なぎ)うーん あさってはどう?午後 空いてるからさ
(アヤネ)やった! いいカフェ見つけたの予約しちゃおうかな
(降車ボタンの音)
じゃあまたね 凪君
(凪)またね アヤネ
(帆高の声)小学生…
(カナ)あっ ラッキー会えると思ったんだ
なっ…
(凪)やあ カナ(カナ)凪君
(帆高の声)モテモテじゃん
(凪)あれっ 髪巻いた?(カナ)わかる? 似合うかな
(凪)似合う 似合うすっごくカワイイよ
(帆高)東京ってすげえ…
(帆高)ここでいいんだよな
(チャイムが鳴らない)
ん?
壊れてるよな これ
すいませーん電話した森嶋です
須賀さんいらっしゃいますか?
あっ 須賀さん?
須賀… さん?
(寝息の音)
いや ダメだろ 人として
ん? おはよ
わっ ああっ すみません 俺…
あー 圭ちゃんから聞いてるよ新しいアシスタント
えっ いや 俺はまだ…
私は夏美なつみ よろしくね
ああ やっと雑用から解放されるなーっと
(夏美)ねえ 少年さ(帆高)はい
さっき 胸見たでしょ
見てません
フフフ…
少年 名前は?
森嶋帆高です
帆高君か 素敵な名前じゃん
夏美さんってここの事務所の方ですか?
えっ 私と圭ちゃんの関係?
(帆高)はい(夏美)ハハハ… ウケる
うーん 君の想像通りだよ
えっ?
(帆高の声)マジか…愛人って初めて見た
おおっ
久しぶりだな 少年ちょっと痩せた?
(帆高)ええっ?
ちょっともしかしてパチンコ?
で 少年 仕事探してんだろ?
今の仕事はこれ
歴史と権威ある雑誌からの執筆依頼
次の特集は“都市伝説”
とにかく人に会って目撃談や体験談を聞いて
記事にすりゃいいんだ
(帆高)えっ でも俺…(須賀)ジャンルは何でもいいからさ
神隠しとか予言とか人身売買とか
お前らガキはそういうの好きだろ
これなんか どう?
ネットでウワサの“100%の晴れ女”
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