The first 200 lines.
僕は 愛が欲しいんだ。
僕は 穴開いちゃってんの ここに。
アロハ~ ようこそ アロ… 間違えた ようこそ ハワイへ。
幸せも全部! ポロポロ… こぼれてっちゃう。
それは大変ですね。
僕だけじゃないよね 世界中 みんな 愛が足りないんだよ。
たち悪いよな~ あのての酔っぱらいは。
警視庁より各局 駅前の漫画喫茶にて➡
男が暴れているもよう 至急 現場に向かうよう。
じゃあ お疲れさまでした お気をつけて。
君も もう帰りなさい。
はい 立って はい 立って。 話 終わってないんですよ。
あれ? 僕 お金払いました? お金 払いましたよ。
僕はね ハワイ! いってらっしゃい ハワイ。
ハワイ島のほう…。 はい 気をつけてね➡
気をつけて。
バ~イ。 はい 気をつけて。
グッバ~イ フフフ…。
ん?
ちょっと待った。
僕はね…➡
愛が欲しいんだ。
愛が足りないから…。 来ないで。
物騒な事件ばっかり起こるんだよ。 来ないで。
うわぁ~!
僕はね…。
う~わぁ~!
あっ…。
酔っぱらって 「愛」なんて大事な言葉を➡
軽々しく言って来る人間なんて 最低!
あれ?
ここ どこだ?
忘れ物は ないですか?
<あらあら➡
どうも みっともないところを お見せいたしました>
<これは 私の孫の青>
<普段は 明るく真面目に 働いているんですけどね➡
酔っぱらうと どうも いけないようです>
<さて 今から始まるのは➡
ここ 東京の とある下町にある➡
明治18年創業の古びた古本屋➡
『東京バンドワゴン』のお話です>
<「ンゴワドンバ京東」では ありませんよ>
<『東京バンドワゴン』です>
≪おじいちゃん それ ソースですよ≫
<おや? まだ開店前ですが にぎやかな声がして来ましたね>
かけちまったぞ。
<これが 3代目店主の堀田勘一>
<私の夫です>
<これは 孫の藍子と その娘の花陽>
<藍子は シングルマザーで 日本画を描いていますが➡
今のご時世 それだけでは食べて行けず➡
店に併設するカフェで 働いております>
学校の近くで不審者だってさ。
<これは 同じく孫の紺>
<フリーライターを なりわいにしていますが➡
やはり 稼ぎは ほとんどなく 店で勘一を手伝っています>
花陽ちゃん 気をつけてよ。
<こちらが 紺のお嫁さんの亜美さん>
<元は 国際線のスチュワーデスの➡
実に しっかりしたお嬢さんです>
<そして この元気な男の子は 2人の息子の研人>
ねぇ ハワイのお土産は?
研人~ 声 大っきいよ~。
みそ汁 飲んどきなよ シジミだぜ 今日 シジミ 効くよ。
いただきます。
物騒だからよ 老人会でもな➡
夜回りと昼回り 当番 決めてやることになった。
あぁ サインペン。
あっ そこです そこ。 ん? あぁ。
でも ネギってさぁ 焼くと おいしいけど➡
ただ温まってるだけだと まずくない?
あっ‼
みんなのお土産 交番に忘れたかも。
え~!?
ショックまんきち。
もう~ 何やってんだよ。 おじいちゃん!
何書いてるんですか? もう~。
「ソース」って書いてるんだよ。
書いとかなきゃ 分かんなくなるだろう。
一体 誰だよ しょうゆとソースの 入れ物 一緒にした奴はよ。
私です。
あっ… ハハ…。
うん 洋風で乙な味だ。 ハハハ。
<おいしいわけ ないでしょうにねぇ>
<あとは そこにいる 玉三郎とベンジャミンも➡
わが家の家族です>
<今朝は あと もう一人 足りませんが➡
まぁ このように堀田家は 4世代と2匹の猫で➡
にぎやかに暮らしております>
<えっ? あっ 私ですか? 見えませんか?>
<フフフ…>
<私 堀田サチは➡
実は 一昨年 皆さんの世を去りました>
<でも どういうわけなんでしょうか>
<今もって 心は この家にとどまり➡
こうして みんなを見守っております>
おはようございま~す!
どうぞ~。
<おや? そろそろ 開店時刻のようですよ>
おはようございま~す。
<ご覧のように 店内は 入り口を真ん中にして➡
左側が古本屋 右側がカフェとなっております>
あっ どうも はい。 これの「冬」はありますか?
「冬」ね ちょうど それのね 裏にあります。
<カフェのほうは まだ始めて6年>
<物置代わりだった部屋に➡
テーブルと椅子を並べただけの 店内ですが➡
ご近所の方に なかなか人気のようです>
おぉ 祐円さん おはようございます。
<この人は 勘一の幼なじみの 祐円さん>
<近所の神社の神主さんです>
<んっ? そこの墨文字に 気づかれましたか?>
<実は あれ わが堀田家の家訓なんです>
<「文化文明に関する 些事諸問題なら➡
如何なる事でも万事解決」>
<書いたのは 先代の堀田草平です>
<他にも わが家には➡
家族の書いた家訓が たっくさんあります>
<こんな時代に家訓うんぬんは どうかと思いますけど➡
わが家のみんなは 老いも若きも➡
それをできるだけ 守ろうとしているんですよ>
「社会」よし!
うわ~…。
あぁ…。
青ちゃん いってきます! いってきます!
張り切って学んで来い! うん!
気をつけてな。
あっ!
よう! 研人に花陽。
おじいちゃん! おかえり!
ハハっ 今日もLOVEだね!
<最後になりますが➡
これが私の1人息子の 我南人です>
<なんと ロックミュージシャンなんですよ>
<今は ほぼ引退状態ですけれど>
ハハっ! いい年して フラフラしやがって。
あっ LOVEだね!
青! 青~! 何が LOVEだよ。
<実は 青と我南人の間には➡
少々 面倒な事情もあるのですが➡
まぁ その話は おいおい いたしましょう>
ただいま~! お父さん おかえりなさい。
お義父さん おかえりなさい。 亜美ちゃん 相変わらずキレイだな。
どうも。
「ただいま」じゃないだろ 1か月も 家 空けて。
いつも どこ ほっつき回ってんだよ。
よぉ! おかえり。
がなっちゃんじゃねえかよ おう ハハハ…。
生きてたか? ただ今 帰りました。
全然 こっちの話 聞いてないし。
伝説のロッカーなんだろ?
だったら たまには歌って 仕事して来いよ。
うん?
俺はね 歌で稼ぐの もうやめたの。
よし。
ほら ほら。
はぁ…。
亜美ちゃん。
はい。 ほい~ 藍子!
お父さんブレンド。 イェ~イ!
青 お前の言葉はね 何かLOVEじゃないねぇ。
まず帰ったら「ただいま!」 「おかえり~!」って➡
それが家族のLOVEなんだねぇ。
玉三郎 はい ただいま。
…ったく いつもLOVEって 「LOVEだねぇ」って。
LOVEとか愛とか そういうことを 軽々しく口に出す人間なんて➡
ろくなもんじゃねえっつうんだよ。
<おやおや 確か昨日は 自分だって…>
ほい ただいま。
青 ただいま~! はぁ…。
青 ただいま! いいって もう!
もういいって! 触んなよ。
ただいま~!
やめろってば!
あのな そういう ちゃらんぽらんな態度が➡
頭に来るって言ってんだよ!
おい てめぇら いいかげんにしとけよ!
また始まったよ。
壊さないでやれよ お前。
よけんなよ!
よけんな! やめとけ!
あっ 痛い痛い痛い…!
そんな 物を使って…!
あ~あ~あ~。
<フフフ 今日も にぎやかです>
<私も まだ しばらくは この世界で➡
堀田家の 『東京バンドワゴン』の行く末を➡
見守って行きましょうかね>
<皆様も よろしければ どうぞ ご一緒に>
禁酒。
隅田川女子大学。
はぁ 渋いなぁ…。
≪おい 今 何つった?≫
はい ですから ここは宝の山です 素晴らしい!
僕に ここの古本を全て 売っていただけませんか?
できれば この店ごと。
てやんでぇ ばか野郎!
ふざけたことを 抜かしてんじゃねえぞ! えっ?
いいか 若造 古本ってのはな➡
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