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“iPS細胞の複製には 細心の注意が必要…”
チクショウ
〈今朝 ソイン研究所の アンダーソン所長が〉
〈テロにより暗殺されました〉
〈確かですか?〉
〈一番の問題は〉
〈この実験が危険であること〉
〈分かりました〉
〈検討して返事を〉
〈ご承知の通り 時間がありません〉
確認の結果 テロでした
誰の仕業ですか?
手がかりはありませんが
プロジェクトが漏れました
どうなさいますか?
安全な所へ移します
最終段階なので 絶対に移せません
理事
今 一番大事なのは安全です
第二のテロの可能性も高い
研究所が狙われます
決断してください
移すなら––
条件があります
病院には来ないでくれよ
頭痛で2日 眠れなかった
人は眠らないと 生きられないだろ
“向精神薬”
ギホン 心配だから言うけど このままだと…
クソ 俺は死なない
死なないから心配するな
ミン・ギホン先輩? 会社の者です
どこに行くんだ?
誰の指示だ?
“警告 上水源保護区域”
こちらへ
生きてたんですね
僕に会いたかった?
会いたくなかったのか
2年ぶりなのに寂しいな
俺に何の用だ?
大勢 引き連れて何だよ
ビビるなんてダサいですね
その顔
ずいぶんやつれたな
なぜ呼び出した?
僕は呼んでない
ギホン
久しぶりだ
具合はどうだ?
元気です
そうか?
よかったな
ひとつ仕事を頼みたい
どんな?
当然 国のための仕事だ
なぜ会社を辞めた俺に?
信頼できる奴が必要だからだ
俺が信頼できると?
違うのか?
ヒョンスの命日を?
今年でもう3周忌か?
時間がたつのは早いな
そのプロジェクトとは?
国家的な極秘プロジェクトだ
それだけ覚えとけ
お話はうかがいました ミン・ギホンさんですね?
シン・ハクソンです
テロに備えて 警戒レベルを上げました
最終目標のために
データをまとめました
これは?
未来に向けた研究です
つまり––
この船が研究所?
はい そうです
重要な研究を どうして船でするんだろう
一種の 方舟 はこぶね ですね
紹介します
イム・セウン博士です
10年前の研究で
胚性 はいせい 幹細胞の培養に 成功しました
核置換した造血幹細胞を 受精卵に挿入した後
その受精卵を子宮に着床させ
妊娠7か月で 実験体が作られました
実験体はオスで 成長速度は人間の2倍…
待ってください
その…
実… 実験体?
それは何ですか?
窓を開けて
幹細胞の複製と 遺伝子操作による––
人類初の実験体です
つまり あの子が クローンということ?
さあ… 人間と呼べるか 分かりませんね
トマトの茎から ジャガイモの根が育ったら––
何と呼べば?
人間にない遺伝子を 持つ存在です
新しい 種 しゅ と言うべきでしょう
初めて成功した複製です
当初は原本と同じ遺伝子の クローンを
でも 徐福 ソボク は違います
遺伝子を組み換え 改良しましたから
ソボク?
言い忘れましたね 名前はソボクです
2500年前
始皇帝の命を受け 不老不死の霊薬を探した家臣
死を克服したい 人類の象徴です
それにちなみ
名づけました
ソボクは 死ぬことのない存在です
ソボクの骨髄は
iPS細胞が作れるよう 設計されており
そのたんぱく質で 全ての疾患を治療できます
ソボクがいれば
人間は死に勝てるのです
今となっては唯一の 技術の源であるソボクを
守らなければなりません
信じられないでしょう
荒唐無稽な話ですね
死なないのを確認できないし
見た目も平凡だし
平凡ではありません
面白いものを
始めてください
思いがけない副作用です
あの能力を持った理由は 謎ですが
ソボクの脳波は 人間より強いため––
周囲の圧力を調整していると 推測されます
少なくとも非凡です
まあ…
不思議ですね マジックのようだし
もういい
過労やストレスがある時は もっと症状がひどいでしょう
脳腫瘍による意識喪失
病名は 膠芽腫 こうがしゅ ですね?
余命は長くて1年
あるいは半年?
バカなこと言うな
臨床実験を?
ソボクを使って治療できます
あなたの命を
私が救いましょう
幹細胞の研究が危ぶまれた時 研究所から提案された
複製を黙認すれば 助けてやると
何を助けるんですか?
あの年を思い出せ
新政権は軽く考えてたんだ
ソイン研究所の資金で
幹細胞の研究をさせて 人気を得ようと
すると思いがけなく出来た
死なない実験体が
当時は成功の確信はなく 研究を続けるうちに
あっという間に10年が過ぎた
我々も研究のことは 忘れていたが
昨日 アンダーソン所長が テロで暗殺された
来月 最終報告書を 提出予定だったのに
犯人は?
さあな 研究結果は強力な武器だ
武器?
ギホン
武器とは何だと思う?
武器の本質は恐怖だ
死ぬことに対する恐怖
だから死なない技術は
死を恐れる人間にとって 強力な武器になる
人は誰でも死ぬ
お前みたいに
実験体をシェルターに移し
臨床実験を続けるのが 研究所の条件だ
実験の対象が必要だが
極秘に進めたい
だからお前を呼んだ
ギホン
どうする?
実験に協力します
させてください
何を打ってるんですか?
抑制剤です
それは何?
細胞分裂が速すぎるので
それを抑制するんです
抗がん剤のようなもの?
よくご存じですね
似てます 24時間に1回 打つんです
あれを毎日?
打たないと細胞分裂が速くて 大変なことになります
というと?
死ぬでしょう
死なないのでは?
死ぬこともあり得ます
車にひかれるとか 銃で撃たれたら
でないと不死身ですね
臨床実験に協力するとか?
はい
おめでとうございます
祝うほどのことではないと 思いますが…
臨床実験が成功する確率は どれくらい?
さあ… 初めてだから
もし失敗したら 僕はどうなるんでしょうか?
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