The first 197 lines.
<10年…>
<それは 宇宙における一瞬の瞬き>
<しかし こと地球において その移ろいは➡
われわれのライフスタイルを 変えるのに 十分な時間である>
<政治 経済 科学 教育 そして 人々の価値観までもが➡
目まぐるしく変化した現代>
<われわれは 何を信じ➡
この曖昧な今を 生きていけばよいのだろうか…>
<この銀河系の 小さな惑星の片隅➡
あまたあるビルの 地下 深くに➡
世間の風潮や 会社の思惑など どこ吹く風と➡
自らの欲望と本能に忠実に生きた 伝説の女たちがいた>
<彼女たちは その部署名から 侮蔑と 嘲笑 そして➡
畏怖の念を込めて こう呼ばれていた>
<ショムニと>
<ん? ん? あっ… あれ?>
《満帆へ ようこそ。 期待してるよ》
《はい》
《カワイイよね》
《えっ 何?》 《あっ》
《頑張って 円山さん!》
《目指せ オリンピック!》 《満帆 期待の星!》
《これ以上 競技を続けることは 無理ですね》
《会社の方針で 廃部になることが決まった》
《昨日の合コン 最悪だったね》
《飲み過ぎなんだよ》 《ちょ… ちょい➡
あの子さ ケガして 跳べなくなったらしいよ》➡
《がっかりよねえ》
《ねえ ランチ 何にします?》
うっ…。 うう…。➡
あ~。 やっぱ テキーラは きついね。
おや? あんたも げろ?
ちっ… 違います。
そんなとこに突っ立ってたって➡
男は寄ってこないよ。 はあ?
≪(あずさ)千夏~!
あっ。
あっ あそこです! 見つけたわよ!
へえ 結構 持ってんじゃん。
あっ ちょっ…。➡
あっ。 ちょっ ちょっと それ…。 借りるよ。
あっ わっ 私のお金。
いいじゃん どうせ 死ぬつもりだったんだろ?
まずっ。
あっ あっ あっ…。 タクシー!
あ~ あ~ あ~! あと一歩だったのに。
ちょっと あんた。 何やってくれちゃってんのよ。
今 彼女に 逃亡費用を渡しましたね?
逃亡費用って…。 逃げられてしまいましたわ。
あんたのせいよ。 体 張ってでも➡
止めてもらわないと。
はっ。 東の方角。
飲み屋を練り歩く野獣の姿が 見えます。
行きましょう! 逃がしゃしないよ 千夏!
ごきげんよう。
あんたさ➡
水は まだ冷たいわよ。
誰か 手の空いてるやついないか?➡
新規のデータ入力 急ぎで やってほしいんだ。➡
誰かいないのか? すいません。
無理っすわ。 マジかよ~。
あの…。
ねえ ねえ… 2日連続で 昼飯おごるからさ。➡
お願い。 飲み過ぎたんで➡
脂っこいの嫌ですよ。 分かってるよ。➡
じゃあ 頼む。 はい。
そこ 電話しといて。
M&Aが実現した途端 株価も上昇。➡
これで わが社も 不況を抜け出せそうだな。
これもですねえ…。 これも ひとえに➡
社長のお力と ご決断の たまものでございます。
ちなみに…。 先方の社員たちは➡
本日から 出勤予定となっております。
満帆商事は これから大きく生まれ変わる。➡
今が変革のときなんだ。 はい。
あちらの方も よろしく頼むよ。 お任せください。
優秀な社員が増えるのは いいのですが 問題はですね➡
まあ 今 いる 無駄な社員を どうするかでして。
短期間で 大量の社員を削減することは➡
これは もう至難の業でございます。
ここは一つ 長年 人事部で ご活躍されていた先輩に➡
その 経験と お知恵を お借りできないかと。
心配 いらん。 満帆には あれがあるだろう。
あれ? あれだ。
あれとは? あれと言ったら あれだよ。
あれ… ですか?
あれしかない。
飯 行くか? はい。
どこ行きます?
う~ん 弥生亭のそばなんて どうだ?
いいっすね。
行くよ 行くよ 行くよ ミクちゃん 行こ。
はい。 行きましょう。
☎
そこは鬼門。 えっ?
鬼門?
災いを呼ぶ丑寅の方角…。
ハハ。
ハンガリーで 今 はやってんのよ。➡
これで おなかの肉も もう きゅ~っとなくなっちゃうから。➡
日本で買ったら10万円。
それを 何と お取り寄せの現地価格で➡
5万…。
フォリント。 えっ? フォリント?
安いの? それ。 ひっ。 何 言ってんのよ。
10万が5万よ。 お買い得に決まってるでしょ。
ああ…。 先着10名さままでよ~。
あっ。 ねえ あんた どう?
いやいやいや…。 わっ 私… 私 買います。
私も 私も…。
あっ…。
現在 1フォリント 2円17銭。
えっ? 5万フォリントは10万8,500円。
どいてもらえますか? あっ はい。
あ~ん。
君は食べないの?
男の人が食べてるところを 見るのが 好き。➡
いっぱい食べる人 大好き。 ウフフッ。
いただきます!
う~ん すてき。
えっ この席…。
見たことある財布だね。
あっ あなた…。 この会社も ずいぶん変わったね。
女子社員の制服➡
いつから なくなった?
制服? 行きましょう 室長。
これはこれは。 M&Aで わが社に来られたエリートの皆さん。➡
このたびは 経営企画室を任されたそうで➡
おめでとうございます。 どちらさま?
海外事業部の者です。
いきなりの大役 さぞ荷が重いことでしょう。➡
ですが 会社のことは われわれに任せてもらって 結構。
皆さんは 紅茶でも飲んで➡
のんびり 女子会でも やっててください。
お気遣い 誠に ありがとうございます。
皆さんも どうぞ 青汁でも飲んで➡
古い脳みそを 少しでも 若返らせておいてくださいませ。
何?
怖~い。 この会社に➡
時代遅れの化石など 必要ありませんの。
あの~。 化石に 時代遅れってあるんですか?
あっ そうだよな。
時代を経れば経るほど 価値が上がる➡
それが化石です。
へえ カワイイじゃん。
彼女いんの? はあ?
室長 行きましょう。 行くぞ 左門!
あの 部長…。
君に辞令だ。 辞令?
それは異動先で出してくれ。
「庶務二課」?
えっ!? えっ?
ショムニ行きの辞令が 出たぞ~!
ショムニ!? ショムニ!?
フッフッフッフッ。 ショムニ!?
ハッハッハッハッ。 ショムニ!?
フフフッ。 ショムニ!?
ショムニ!? ショムニ!?
ショムニ!? お~。
ショムニの復活だ!
ガッハッハッハッハッ。
ハハハハハッ。➡
部長! 部長! 部長~!
庶務二課行きを命じた 社員たちから 次々と退職願が。
おお ホホホホッ! すでに50名近く!
いや~ これ さすがですね 寺崎さん。
当然だよ。 それがショムニだ。
お世話になりました。
あの~ 場所を お聞きしたいんですけど。
はい どちらの部署でしょうか? ショムニって…。
ショムニ!? えっ?
ショムニ!?
あの~➡
庶務二課を お探しですか?
はい。 ご案内しましょう。
どうぞ こちらへ。
どうぞ。 突き当たりが 庶務二課でございます。
はい。
えっ 一緒に来てくれないんですか?
ここから先は お一人で どうぞ。
あっ あの ショムニって…。
失礼しま~す。
この人たちって…。
≪(リエ)はっ。
見えました。 えっ?
10年の時を経て➡
封印が解き放たれし部屋に 舞い戻る 欲望の塊のような女が。
あっ あなたたち…。
あっ すみません お邪魔して。 あの 要するに➡
坪井さんが ここに来るはずだって ことなんですけど。
見掛けませんでしたか? 坪井さんって➡
ひょっとして。
≪呼んだ?
坪井さん!
飛んで火に入る夏の虫です。
会社に乗り込んでくるなんて あんたたちも節操ないね?
節操がないのは どっちですか。
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